三峯神社

笠井瑞丈

昔防水工事のアルバイトをしている時
コンクリート工場の工事の為
初めて訪れた街秩父
こんな素晴らしい街が二時間くらい
離れたところにあるなんて

それ以来時間があればふらっと訪れる街

そんな秩父の街にこの前
なおかさんと父母を連れて行ってきました

秩父は1905年に絶滅したとされる
ニホンオオカミがいまだに目撃されるという場所です
ニホンオオカミは鹿や猪から農作物を守るということから
農家の人達からはカミサマとしてずっと崇められていた
オオカミのカミは神からきているらしい
しかし狂犬病の蔓延で人間を襲うようになり
次第次第に駆除される対象に変わってしまった
その結果絶滅に追いやられたと言う話を聞きました
これは本当の話かわかりませんが
1905年に絶滅したと言うことは事実である

秩父の街に着き
前々から気になっていた
外観が昭和レトロの
定食屋さんに入る

そこでたまたま手に取った雑誌に
ニホンオオカミの記事を見つける
そしてオオカミを守護神としている
三峯神社という神社が秩父の山の中にあるという情報を見つける

『これは行かねばと』

定食屋を出て車を2時間
山の中を走らせ
神社に向かいました
大きな駐車場に車を停め
徒歩で少し山を登り本殿まで歩く

境内入り口には三ツ鳥居が建てらている
この三ツ鳥居はとても珍しいものらしい

この日は辺りが霧が覆われていて
本殿までの道のりがとても神秘的でした
今にもどこかに天狗が現れて踊りだす雰囲気
そして狛犬代わりに神社各所には
狼の像が鎮座していました

そして調べたら

主祭神

いざなぎのみこと
いざなみのみこと

来月久しぶりにソロダンスを行います
そのテーマが
いざなぎのみこと
いざなみのみこと
これは偶然ですがきっと
何かここに魅きつけられたと感じました

ここに来るべきして今日ここに来たのだ

参拝後神社のお土産やさんに入る
そこに入りパッと目についたのが

有精卵と書かれた

6個入れのパックが売られていました
これは買わなければと1パック購入

自宅に帰り購入した卵を
ゴマちゃんとマギちゃんの前に置いてみた
二人は目の前の卵をすぐにクチバシをうまく使い
自分のお腹の中にしまい込みました

その瞬間二人の顔つきが変わったように見えた

それから抱卵生活が始まる
二週間後
初めて検卵をしてみました

卵の中にヒヨコの影がくっきりと現れ
はっきりと中で動いているのがわかりました

これは三峯神社から続く神秘だと確信しました
そして必ずこの卵は孵化すると信じました

ゴマちゃんとマギちゃんは交代交代で
どちらかが食べているときは
どちらかが卵を温めていました

三週間一日一食でずっと卵を温め続けてくれました
そして二人がお母さんになるのを本当に楽しみにしていました

しかし予定日が過ぎ
そしてまた1日が過ぎ
そしてまた1日が過ぎ

結局卵は孵れことはありませんでした
検卵の結果
もう死んでしまっていました
卵の中から出してあげました

胎児の形をしたヒヨコ
クチバシも眼も羽も
あと出てくるだけだった

庭に埋め
弔い上げました

結局産まれてくることは無かったけど
確実にそこに生命は育っていました

二人のカラダの体温が熱となり
一つの生命を生み出したのです

こんな神秘的な時間に立ち会わせてくれた
ゴマちゃんとマギちゃんにありがとうと言いたい

こんな小さな二人から
生命とは何かということを
また改めて考えさせられました

これは三峯神社の不思議な力の働きだったのだろう

そんな
不思議な6月
そして
明日から7月