インターバル感覚とエフェソス呼吸

笠井瑞丈

インターバル感覚

空気に溶けるような
ダンスがしたいといつも思う

絵の具を水に溶かし
白いキャンパスに絵を描くように

ピアノの鍵盤を叩き
空気の振動で音が生まれるように

オトとオトの隙間を聴く
声が声になる瞬間を聴く

限り無く
ゼロに近いゼロ

その瞬間にカラダの耳を澄ます

良く分からずも続けている
オイリュトミーも今年で三年
今インターバルに取り組んでいる

このインターバル感覚には
空気にカラダが溶かす感覚がある

新しい発見

二度進行の動きが好きだ

バッハの平均律12番を一音一音の
音の隙間にカラダをのせてみる

新しい音楽の聴き方
音楽の中から時間を抜き取る

エフェソス呼吸

発生力でカラダを動かす
母音力でカラダを動かす

あ 広がる力
え 交差の力
い 軸立の力
お つつむ力
う 平行の力

インターバル感覚とエフェソス呼吸
この二つには共通するものがある

ゼロ感覚のカラダ
生まれる前のカラダにカラダを戻す

押す力
返す力

均衡を保つ力

踊る力はきっとそこからやってくる

インターバル感覚とエフェソス呼吸
まだ知らぬ新しい舞踊技術

いつか
空気に溶ける踊を踊ろう