見えないもの

長縄亮

「見えない」とは
神様をいうための
ことばだった
一番はじめから そしていまでも

ぼくたちは
いつでも神様を
目で追っている
目に見えない神様を
目で追っている

ぼくたち
目の見えないものたちは
手で捜している
目に映らない神様を
手で追っている
手に当たるまで

ぼくたち
からだのないものは
かみさまを
いのちでさがしている
時の中を
さいごの時まで
たぐっていく

めにうつらない
てにはふれないかみさまに
いのちがあたるとき
ぼくたちはうまれる