アジアのごはん(102)おから三昧

森下ヒバリ

さて、緊急事態宣言下、外出自粛生活もひと月にならんとする今日この頃、皆さまいかがおすごしでしょうか。ワタクシは3月にインドからタイに移動してからは、バンコクでもSTAY HOME状態だったので、3月末に日本に戻ってからと合わせてほぼ2か月STAY HOME状態が続いております。

う〜ん、飽きてきた・・。

しかし、ウイルス感染が蔓延しては困るので、なんとかやり過ごさなくてはならない。まあ、いつも日本ではけっこう引きこもりなので、家にいるのは構わないのだが、問題は同居人だ。うちの同居人はミュージシャンで、3月末からライブがほぼ中止になり、ずっと家にいる。いままではだいたい金土日月はライブで不在だったので、これは厳しい。食事作りがヒバリの担当のため、毎日毎日2回(うちは朝食は食べない)食事を作るのである。(一人の時は適当)

え、ワタシ以前から毎日3食作っていますが?・・という方にはスイマセン。とにかく料理の回数が普段の2倍になったのである。そこで、作り置き副菜おかずをまとめて多めに作っておくようにしてみた。切干大根と糸こんにゃくの煮物とか高野豆腐の煮物とか、たけのこの煮物とかだ。3〜4日は副菜を一品作らなくて済む。

そして今日はちょっと暑かったので、さっぱりとしたおからの酢の物を作ってみた。

おからはふつうに炊いてもおいしいけれど、目先を変えて酢の物もいいのですよ。これは京都のおばんざいのひとつだろう。いいおからを使えば、炒る必要もなく、とても簡単だ。

材料は何でもいいが、今ならきゅうりの薄切り、新玉ネギの薄切り、あればきくらげ、にんじんも。薬味にシソやみょうが、ショウガを加えるとさらにいい。ワカメもおいしい。野菜は塩で揉んでおいて、そこにおからを加える。米酢かりんご酢、しょうゆ、塩などで味をつけて和える。ちょっとだけみりんを入れても。

出来上がりのイメージは、おからの炊いたものよりは具材が多く、ほんの少し水っぽいぐらい。べちゃべちゃしてはいけない。しっとり、です。茶色くなると見た目が悪いので、出来るだけ薄口しょうゆか白醤油を。そして、これにしめ鯖の薄切りやアジの酢じめなどを混ぜ込むとごちそうになる。かまぼこやカニかまでもいける。野菜や海草だけの精進でもおいしい。ちょっと冷やしてどうぞ。

おからは基本火が通った状態で市販されているので、酢の物の場合は炒る必要なしで、火を使わずさっと作れる。あ、さっき出雲から届いたたけのこ、薄切りにしていれてみようっと。豆のピクルスや茹で枝豆も合う。

おからは食物繊維のかたまりである。免疫力をあげるには食物繊維をたくさん食べて、腸内細菌を元気にすることが重要だ。発酵食品も重要だが、もっと大事なのが、腸内細菌のエサである食物繊維なのである。「腸内細菌がよろこぶエサをあげる」ことを食事作りの時に忘れてはいけない。毎日ささっとおいしい食物繊維たっぷりのおかずを作って、ウイルスに負けない体を作りましょう。薬は治してくれないよ。