アジアのごはん(78)米粉クッキング

森下ヒバリ

まあ、あれだ。これは身体に悪いことが分かったから食べるのをやめよう、と人に言ったところで、たいがいの人は聴く耳を持たない。ワクチンは有害物質満載だから打つのやめようと言ったところで、抗生物質が、食品添加物が、ジャンクフードが、農薬が、遺伝子組み換えが、合成洗剤が、抗菌殺菌消臭スプレーが‥って韓国の加湿器に入れた殺菌剤による死者は恐ろしい、けど、こういうもののせいとは気付かずどれだけの人が病気になり、死に至っているのかと思うと、もっと恐ろしい。

最近身近なところでのガン患者の数があまりにも多くて、いったいどうなってるの、という毎日。今の日本は世間の一般常識に沿ったフツーの生活をしていると、遅かれ早かれガンになるか、心筋梗塞になるか、脳梗塞になるか、糖尿病か高血圧になり、認知症・アルツハイマーになる。はたまたアレルギーに苦しみ、ウツになり、ひきこもりになり、ADHDやアスペルガーといわれて社会から浮き、働きすぎて疲れ果て突然死、とか。

しかし、まあ、あれだ。これを読んで一人でも、ちょっと今までの生活や医療常識に疑問を感じたりしてくれたらいいかと。フツーの生活とやらでは、合成洗剤・抗菌剤・殺菌剤入りのスプレー、せんたく洗剤、台所洗剤、ウエットティッシュ、シャンプー、お風呂掃除洗剤、歯磨き、洗顔料、ヘアスプレー、化粧品‥を、それはもうヒバリは卒倒しそうなほどみなさん使いまくっているみたいですが、大丈夫ですか?

企業もたとえば消臭スプレーに「柿渋エキス配合」とか「グレープフルーツエキス入り」などと表示して自然さと安全性を強調し、人の目をくらます。そのすぐ後の成分表示に「除菌剤」としか書いてない、これはいったい何だ。化粧品や食品でない洗剤や消臭スプレーなどはすべての成分を詳しく表示する義務がないので、あたかも問題のない成分のように一括して「除菌剤」で終わり。もちろん、韓国で人が死ぬ原因となった除菌剤も「これは使うと危険」などと書かれていたわけではない。

エタノールと本当の自然素材だけのウエットティッシュが欲しくていろいろ探していたが、なかなか見つからない。無印良品のウエットティッシュも成分は少ないが「殺菌剤」の文字が。一応、無印にくわしい成分をメールで聞いてみたら、「お答えできません」との返事。お答えできないようなものは、使えないです。スーパーやコンビニで売っている商品の内容成分表示を見ると、頭が痛くなってくる。

人間の身体というものは実は菌まみれで、その菌に体を守ってもらっている、動かしてもらっている、さらにエネルギーやミネラルも作って供給してもらっている。人間の身体は細菌との深い共生関係によって成り立っている。細菌がいなければ、人間は生きていけない。腸内細菌の重要性については最近研究も進み、知識も広まってきたが、肌にいる常在細菌も重要な存在だ。腸内細菌と同じく善玉菌と悪玉菌がいて、肌の主な常在菌である表皮ブドウ球菌がいわゆる善玉菌である。この菌がバランスよく肌を覆っていれば、あなたの肌はつやつや、しっとりと潤っている。そしてブドウ球菌がしっかりと肌からの病原菌の侵入を阻止してくれるのである。

合成化学物質の抗菌・殺菌・除菌剤は有害な病原菌だけを選んで殺すわけではなく、人間に有用な、大切なパートナーの菌たちも一緒に殺してしまう。それが皮膚のバリアを壊し、腸内細菌のバランスを壊す。こういう成分の含まれた洗剤やスプレー、ウエットティッシュなどを日常的に使うことは、有毒成分を日常的に取り入れるだけでなく、身体の根幹をなす細菌バランスをコツコツと破壊していることなのである。そういう生活の先にあるのは‥。

気が滅入って来たので、料理でもしよう。今日は、いろいろ問題の多い小麦を使わずにグルテンフリーの米粉でお好み焼きとクッキーを焼くよ!

米粉は日本ではこれまで、あまり使われてこなかったが、使ってみるとたいへん使いよい。そして、おいしい食材である。粉もん、を使うたいがいの料理に使える。小麦粉の特徴はグルテンを含み、そのグルテンが粘りを出し、また素材と絡まることでふわふわした食感を作り出す。一方で米粉は、もちもちとした食感やサクサクとした食感を出すのが得意である。とろみもつけられる。こういう特徴を生かすと、これまで小麦粉で作っていたものより、簡単に作れたり、おいしく作れたりするものも多いのだ。

<お好み焼き>
*いつものお好み焼きの材料の小麦を米粉に置き換える、だけ。
え、それだけ? はい。ええと、たとえば米粉の量を少し減らして、じゃがいものすりおろしを加える、またはひよこ豆の粉を加える、ベーキングパウダーを小さじ半分加える、または山芋はすりおろしだけでなく、小さな角切りにしたものを追加する、などするとよりおいしく作れる。米粉タコ焼きもさっぱり味でもちもち。

<米粉クッキー>
*米粉200g(このうち50gをひよこ豆の粉、またはココナツパウダーにするとコクが出る)
*卵1個
*バージンココナツオイル70グラム(苦手な人は精製ココナツオイルか無塩バターで)
*砂糖(ヤシ砂糖とかメープルとかお好みで)50g
*豆乳大匙2ぐらい、かたさの調整で使う
*塩少々
これらを混ぜ合わせ、なんとか固めて、直径3〜4センチぐらいの棒状にまとめラップで包んで冷蔵庫で1時間位冷やして切りやすくする。
厚さ1センチ程度に輪切りにして、温めておいたオーブンで170℃、20〜25分目安に焼く。米粉はやや低めの温度で長めに焼くのがポイント。
お好みで刻んだクルミ、シナモン、ココアなど入れてバリエーションも楽しめる。
本当においしい。サクサクしていて、口の中でねちねち絡まないので、食べた後味もすっきり。小麦粉のクッキーより断然好みです。また焼こうっと。次は何を入れようかな。

グルテンフリー生活は、「あれも食べられない、これも食べられない」のではなく、新しい食べ方や料理を考えるよい機会と考えると、なかなか楽しい。