むかし住んでいた家

仲宗根浩

旧盆、お迎えの日に家でだらだらしていると、子供の学校からバスが15時運休のため午後に帰宅させるとメールが来る。台風が近づいている。勤め先のホームページを見ると18時で営業をやめるとの記載。これは今日出勤しなくてよさそう、とおもいながらなおだらだらしていると、14時過ぎに電話が入る。台風対策のためできるだけ早く来てほしいと上長が言う。わたしはエッセンシャル・ワーカー、行かねばならぬ。いつものバックに着替えてを詰め、業務用靴といっしょにビニール袋に入れ濡れてもいい格好、長靴でビニール袋を抱え駐車場へ向かう。なかなかの風が吹く。出勤してはみたもののそんなに特別にすることなく閉店作業をして帰宅。夜中に久しぶりに建物に風の塊があたるのを感じる。

ここ数か月、いろいろあり毎週病院に通っているようなかんじ。原因不明の咳だったり、労災だったりで。労災の払い戻し手続きで二ヶ月もかかったり、保険の証明の書類をもらうためだったり。デジタルになったらこういう手間はなくなるのか?

中秋の名月の前日、今月ふたつめの葬式があり、知人の手術あり、親族危篤の状況ひとあり、と色々メールやlineが来る。再放送された沖縄題材の番組を見て1970年頃の生活していた家が映像で出ているのを確認する。基地の街が一番栄えていた頃、不安があふれていた頃。