ゴジラとオロチ

冨岡三智

先月、関西のりんくうタウンで「シン・ゴジラ」を見る。巨大不明生物ということで、真っ先にヤマタノオロチが思い浮かぶ。実は、2008年に石見神楽とジャワ舞踊のコラボレーションをやったことがある(水牛2008年7月号)。神楽のオロチは当然等身大なのだけれど、古代の人はオロチのサイズをどれくらいに想像していたのだろう。

シン・ゴジラの身長は118.5mで、1階3mとして概算すると40階建くらいか。だが、初代ゴジラ(1954年)は50mと今の半分以下だったらしい。ちなみに、高さ制限のある奈良市内では最も高層の建物で46m(ホテル日航奈良)。1954年当時、首都圏でも50mのゴジラは巨大に見えたのだろう。ところで、古代の出雲大社は48mあったとされる。3本の太い柱を一組にした柱根が見つかっているから、現実味があるようだ。その当時に初代ゴジラサイズの建築を目指したとすれば、出雲政権は大和朝廷にとってゴジラなみの脅威だったに違いない。ヤマタノオロチもそれくらいのサイズだったろうか…。