橙の影

璃葉

橙色の帯 西の空へ伸び 沈んで 枯れてゆく
重く冷たい風が吹き 背中にのしかかった

地上の色を こっそりと土が抱え込むとき 秋は終わる
秋が終わる前に 橙の影が隠れている道を歩いた
ぼくの足音をきいて 鈴虫はしん、と黙った

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