シクサルサイト――翠の石筍59

藤井貞和

静かなる夕べ、
ひとりを争ひをらむ、
ふたりの男、
ミンゾク学者と、ミンゾク主義者と、
言ひ争へる路上に、
再び 静寂の時は来たり、
見よ、惨劇は行はれたり、
橋上のひとは去り、
血の海に、
きみは仆れて息なし。
あはれ、ミンゾク、
勝利をわれらに。

(問1〈書き取り問題〉、これらのミンゾクに適当に漢字を宛てよ。問2、橋上のひとはだれか、おなじく「きみ」はだれか。以下のすべてのカタカナに漢字を宛てよ。サベツの実態やシテキ在り方やシンテキ構造など、現代人のなかに膠着やシコウ停止がすすむ現在のようで、それなりに硬直する理由があるとすれば、リニューアルないしシンキリフレッシュして、おなじようにストップしているジェンダー理論、ショウスウ者ミンゾク、ショウガイ者サベツや、ちかごろの大学生シュウダンレイプ、根っこはセンソウなのですが、シゼン破壊やエコも同様、「民族」を「民俗」へとひっかけて、ナショナル言説へシュウノウするちかごろの風説のシンキクササ、拉致問題や北朝鮮ミサイルなんたら、サイバン員セイドという骨〈=シソウ〉抜き人間をつくったり、そのシソウの空洞化、もうゾウスイみたいに蔓延している、みんなそのうちどうでもよくなって、シラケ現象ばかりがすすむ秋葉原の若者シンゾウや、人殺し予告や、村上現象と連動するアイドルマスター=風俗ジョウを、『源氏物語』キャラ並みにエッチの対象にシクサルサイト、第二次バカヤロー解散、どうでもよいです。)