製本かい摘みましては(137)

四釜裕子

ここ数カ月ブログの投稿がうまくいかない。こちらのOSの問題なのだけれども、バックアップの気持ちでブログ製本サービス「MyBooks.jp」ボタンを久し振りに押す。goo.ne.jpからエキサイトのexblogに変えたのが2005年6月10日、これまでに1度だけ、2007年3月20日の投稿までをA6判モノクロで冊子にしたことがあった。改めて見ると、324ページで背幅17ミリ、表紙を強く開くと背から3ミリくらいのところにひとつ大きなホチキスが留めてある。当時はまだ接着剤だけでの背貼りは十分でなかったのだろう。

今回はその続き、2007年3月25日からとする。どれくらいまでを1冊にできるのか。試しのpdf出力は何度でもOK、それを見ながら、1冊あたり50ページ〜480ページとのことなので、B6判でちょうど2年分とする。毎投稿に写真があるわけではないけれど、今回はカラーにしてみたい。印刷代は、サイズによるがページ単位でモノクロなら5〜7円、カラーにするとおよそ3倍。お〜。奮発してカラーにしてみる。並製本、カバーなし。印刷代11,578円に送料が540円。

一週間ほどで届く。戯言でもめくれば懐かしい。何かを思い出すためにキーワードをいくつかとブログタイトルで検索してヒットさせることはあるけれど、ブログを通して読み直したことはない。カラーにして良かった。次に作るなら、写真を入れ替えてレイアウトも整理してまたカラーにしよう。「めくる」ってすばらしい。瞬時に目に入り、圧倒的に目が疲れない。いったん放り出したものを胸に取り戻したような感じすらおぼえる。

表紙のデザインはさまざま選べるが前回と同じにした。無味無臭がいちばん。綴じのホチキスはもう使われていない。背ボンドは前回より厚い。奥付はよりくわしくなっている。印刷・製本:欧文印刷株式会社だけだったのが、発行:MyBooks.jp、運営:欧文印刷株式会社、組版・印刷・製本:欧文印刷株式会社。乱丁・落丁本の連絡先もある。欧文印刷さんのブログを見てみる。話題はさまざまあって、ブログ製本についてのコメントは昨今少ない。2017年8月、未来予想のひとつとして〈ブログはいよいよ終わりを迎える〉。2010年頃がブログ製本の盛り上がりの最後か。FaceBookやTwitterからも製本できるようになっているそうだ。

読むうちに、ブログ製本の開発に携わっていた方の記事にいきついた。社内で自動組版するシステムを構築する部署にいた田名辺健人さんは、2004年頃からインターネットを用いた名刺の受発注システムを担当、2006年にMyBook.jpを立ち上げる。2009年にはある大手の提携先が行なった製本キャンペーンが大当たりして、当たり過ぎて、たいへんな苦労をされたようだ。その後、ご両親の介護もあり札幌でリモート勤務、現在は、十勝発信の、クラウド型牛群管理システムを開発提供する会社におられる。「牧場を手のひらに。」。なるほどなぁと思い、じっと手を見る。太陽にかざしてみる。