LIFE BEHIND TV

長縄亮

テレビのなか きれいな人だけ
きれいでなけりゃ いきられない国
四月の桜の下で きれいなこに会った
夏休みはじまる頃 きれいなこはもういない

きれいでもきれじゃなくても ぼくにはもうわからないこと
だってもっとぜんぜんいいやつ
きれいとかきれいじゃないとか ぼくにはもうわからないこと
だってもう彼はぼくのともだち

テレビのなか 外人だらけ
「わかりあえません」といわれてるよう
二学期ぼくの組に外人のこが来た
クリスマスパーティに 外人はもういない

日本人でも なに人でも ぼくには関係ないこと
だってもう ぼくはきみをしっている
日本人とか なに人とか ぼくらただ人類なだけで っていうか
きみはぼくのともだち

テレビのなか ひどいニュースが 無理に吐かせる「かわいそう」
新しい年のはじめ 「かわいそう」なこに会った
四月の桜の下に 「かわいそう」なこはもういない

きみがあんまりにかなしくてさびしくて
泣けない涙なら ぼくがかわりにぜんぶ泣くから
もうけっこう!!かってに決めないで
ぼくら「かわいそう」じゃない 「かわいい」だけ
きみとぼくはともだち

テレビの中 みにくいんだ きみのかわいさ こころのすがた
きみがぼくに見せてくれた ほんとの世界
LIFE BEHIND TV