アジアのごはん(41)ドクダシ

森下ヒバリ

タイにしばらく行っていたのだが、今回、滞在中にインフルエンザにかかってしまった。暑い国ではインフルエンザはないのかと思うと、鳥インフルエンザを始め、各種ヒト・インフルエンザがあることはあるのである。しかも、今年はタイも春から異常気象で、乾季も終わらぬうちから雨が毎日毎日降っていたので、体の調子を崩す人も多かったらしい。

昨夜まで元気にしていたのに、明け方目覚めると、いきなり高熱が出ている。連れも高熱。連れも同時に一緒に倒れると、大変なこと極まりない。だれも面倒見てくれる人がいないじゃないか。誰かに来てもらうとインフルエンザが感染するし。宿はアパートメントホテルなので、飲料水は一階の自動販売機まで容器を持って買いに行かねばならない。

「み、水・・取って」「自分で取ってよ〜、あ、もうない・・」

こういうときに人間の本性が出る。「水を買いに行かなあかんで・・」「うう、なくてもだいじょうぶ・・(シーツをかぶる連れ)」「はああ?」

高熱で倒れているときに水がなかったら死ぬだろう・・。けっきょく、倒れてから三日間、わたしが水を買いにいくはめになった。熱は周期的に上がったり下がったりするので、下がったときをみはからってそろそろと買いに行く。一階までいくと、もうすこし歩けそうなので、通りに出ると向こうからバナナ売りの屋台を引いてくるおばちゃんが。天の助けとバナナを買い込む。二日目に、さすがにバンコク在住の友人に食糧を買ってきてもらったが、思ったより味のついたものは食べられない。

こうして、丸四日間、ほとんど水とバナナで過ごすことになった。食事の面から見れば、まるでバナナ断食である。そして、やっと治って、外にごはんを食べに行ってみると、これがまたいつものお店の料理なのに、ひと口食べると「しょっぱい! 味の素が気持ち悪い・・」苦行のように飲み込む。道を歩いても、空気がまるで毒のよう。住んでいるところは、もともと空気がかなり悪い地域なのだが、今までは慣れてしまっていたのだろう。もう道を歩きたくないほど苦しい。次からはもう少し空気のましなエリアに引っ越そうと真剣に考える。

インフルエンザや風邪で高熱が出ると、治ったあとにはいろいろ身体から悪いものがウイルスと一緒に排出されて毒出しされ、身体が軽く、すっきりしている。ちなみに日本では風邪やインフルエンザで熱が出ると、すぐに解熱剤や咳止めなど風邪薬を大量に飲んだり、病院に行ったりするが、わたしは風邪薬を飲まない。人間の身体は熱を出してウイルスを殺す、という免疫システムになっているからだ。

それにしても、今回の毒出し感はなにか強烈。なぜだろう? 思い当たることといえば、このとき水にゼオライト鉱石から作った「ゼトックス」という液体を加えて飲んでいたこと。放射能汚染が広がるなかで、身体に入れないよう防御するということも大事だが、身体に入ってしまった有害物質を排出することも大事である。免疫力をつけること以外に、もっとすぐに効果のあるものはないのかな? と、いろいろ調べているうちに鉱物のゼオライト(ZEOLITE)に辿り着いた。これまで日本では水の浄化、ペットの消臭材としてしかあまり利用されてこなかったが、福島第一原発で放射性物質吸着剤として使われ、その重金属吸着作用がやっと注目されている。

ゼオライト鉱石は、その分子構造とイオン交換作用から、重金属を吸着する。人体にゼオライト鉱石を取り込むと、有害な物質を吸着し、数時間後には人体からその有害物質をかかえたまま排出されるのである。しかも人間にとって必要なミネラルは吸着しないという、ものすごく人間に都合のいい性質を持っている。さらにゼオライト鉱石がいろいろな重金属の中から優先的に取り込むのはセシウムなのだ。

安全性については、日本ではすでに添加物としての認可があり、アメリカではFED(食品医薬品局)の認可があり、食品として安全とされている。というか、欧米ではゼオライト鉱石は福島原発事故よりずっと前から、人体における重金属や化学物質の毒出し効果が認められていて、パウダー状になったものが、薬局でデトックスのサプリメントとしてごくふつうに販売されている。

というわけで、アメリカ製のサプリメントや、出雲のゼオライト原石などいろいろ取り寄せて試してみた。

★アメリカ製サプリメント「ZEOFORCE」ゼオフォース。なんか効き目ありそうな名前だ。毎日の健康維持に一日二錠、集中デトックスには一日六錠から二十錠・・。カプセルはとても大きい。大きすぎて飲みこめないので、カプセルを解体してみると、中にはいっているのはゼオライト(クリノプティロライト)鉱石のパウダー。水に溶けば飲めるかと、コップ一杯の水に溶いて飲んでみた。う〜ん、石の粉の味ですね。三回飲んでいやになった。もう飲めない。

★出雲産ゼオライト(モデルナイト)鉱石の石粒。洗って、ひとつかみを水のポットに入れて一晩置いておくと、水がとてもおいしくなった。ゼオライト鉱石は水を浄化すると同時に、硬水を軟水に変える作用もある。過剰な重金属を吸着するわけだから、なるほど・・。硬水で、しかも安全性に疑問のあるタイのアパートの飲料水に使ってみると、水が格段においしくなったばかりか、お茶もかなりおいしく入れることができた。硬水ではお茶はおいしくはいらないので、悩みの種だったのだが、う〜ん、これはいい。

★出雲産モデルナイト鉱石のパウダー。これも直接飲むのはおいしくない。畑でもあればまけば土壌改良になるらしいが・・。タイで、旅行中に水にほんの少し粉を入れてみると、お茶がおいしく入った。石粒を旅で持って歩くのは重くてジャマくさいので、携帯用にいい。大匙一杯の粉を一リットルぐらいの水に溶き、しばらく置いておいて上澄みを使うことにしてみた。沈殿するのは粒子が大きいゼオライトで、粒子は小さいほうが吸収力は高く、ざらざらしないので使いやすい。お風呂に入れてみる。これはなかなか温泉みたいでいい感じ。汚染の可能性のある野菜などを洗ったりするのに、洗い桶に水を入れてこの上澄み液を少し入れ、ちょっと浸しておけば外側に付いた有害物質はかなり取れるのではないかと思う。

★アメリカ製でNCD(WAIORA)ワイオラという液体の飲料用のもの。飲みやすく、吸収力を高めるよう粒子をナノ加工した液体。一回三滴、一日三回。飲んでみた感じはいいとは思うが、日本国内では直接買えず、個人輸入しなくてはならない。購入はかなり面倒だ。販売方法もアムウエイくさい。

★日本製の「ゼトックス」という液体の飲料用のもの。これもナノ加工してある。無味無臭で、子どもでも違和感なく飲める。スプレーになっていて、一回三スプレーを一日三回が基本。いろいろ試した結果これが一番、飲みやすく、使いやすく、入手しやすい。二か月間試しているが、いい感じ。コップ一杯の水にスプレーして飲む。水分を必ず一緒に取ること。お茶やスープなど食事に入れてもいい。50ml.入りのボトルが3800円で二ヵ月近く持つ。飲む期間は二週間から四週間が目安。何か月おきにドクダシするといい。汚染地域の人は毎日飲んだほうがいいだろう。

放射性物質の排出に有効とうたうと薬事法に違反するので、ネットショップなどでは書いていないけど、セシウム以外にも水銀とか鉛とかいろいろ排出してくれるので、内部被曝だけでなく有害金属について不安のある人は試してほしい。汚染地域の子どもたちにはぜひ飲ませたい。

ちなみに、有害物質やセシウムを排出するといっても、自分で出たと分かるわけではないから、何がどう効いているのかよく分からない。しかし、ドクダシ作用が効いているかどうかは、排出系の変化で分かる。変化には個人差があるが、汗がよく出る、おしっこがよく出る、便がよく出る、というのが主な変化。中には鼻血が出たという人もいたが・・。

日本では、デトックスというと、美容やダイエットというイメージがあったが、いまや日本中で真剣なデトックス=毒出しが必要になっている。じぶんの身体はじぶんで守らなければ、だれも守ってくれない。
ゼトックス公式HP http://zetox.jp/