七月

笠井瑞丈

気付けば
7月も終わり
8月が始まる
当たり前の事だけど
時間がどんどん進んでいく

変化すること
変化しないこと

7月なかば友人の父が亡くなった
僕もお付き合いのある方だったので
突然の知らせにびっくりした

以前からカラダの不調は聞いていたのですが
まさか亡くなるところまでとは思っていなかった

肺がんだった

仙台に住んでいる方だったので
決まってる予定をキャンセルしてなおかさんと
そしてチャボさん二人も置いていけないので
四人で仙台に車で向かうことにした

夕方東京を出発
行けるところまでは
高速を使わづず下道を走る

いつものことですが
チャボは最初は慣れない車移動のため
ずっとコッココッコと鳴いていますが
しばらくすると寝てしまいお饅頭に

郡山から高速に乗り
仙台の少し手前まで

道の駅で車中泊

車の後部座席を平らにして
窓ガラスを塞いで布団を敷き
缶ビール一本空ける

翌日仙台まで残りの道を走らせる
緑の綺麗な道をひたすらひたすら

12時 友人の実家に着く

丘の上のとても景色の良いところ
とにかく今日は天気が良くてよかった
仕事場に置かれた棺の中を覗き込む

これからは
空気となり光となり
ここに存在していく

ほんの少しの滞在時間
でも立ち会えてよかった

とんぼ返りで東京に戻る
帰りは仙台から高速に乗る
外の夕焼けがとても綺麗だ

家に着きカゴの中に卵が一個

生命はこの繰り返しだ