しもた屋之噺(289)

杉山洋一

自分は相当忘れっぽいのだと思うのです。書いておかなければ全て忘れてしまう。さもなければ、忘れたいから書いていると言えるかもしれません。作曲も日記も、自分にとっては似通ったものではあります。

1月某日 ミラノ自宅
元旦早々、奇妙な出来事があった。書き込んだ名前の文字には目印に色を付けていくのだが、昨日ファイルを開くと、赤く反転させたはずの名前が黒インクになっている。気になって確認すると、確かに長い名前の最後の数文字が欠けていたことがわかって書き直す。数字と付き合っていると、しばしば不思議な現象に出会う。単なる偶然なのだろうが、時には考え込んでしまうこともある。

1月某日 ミラノ自宅
年始の挨拶の電話。「電話番号非通知」として表示されるからなのか、それとも海外からの電話は自動的に拒否されるのか、去年まで掛けられた相手も今年は通じない。米軍がベネズエラ・マドゥロ大統領と、妻、シリア・フローレスをカラカスで拘束、ニューヨークのブルックリン拘置所に収監。メローニ首相は米国が自国を保護するための正当な行動と認めたが、スターマー首相はマドゥーロにもトランプにもつかないと発表。ヨーロッパ各国で対応に温度差。コロンビアとブラジルがアメリカを批難するなか、アルゼンチンは拘束を肯定。

1月某日 ミラノ自宅
ひょんなことから曾祖父龜次郎さんは伊東の新井出身だと知る。新年だからと叔父の達也さんに電話したとき、そんな話になった。聞けば、父は子供の頃、伊東港から石畳とちょっとした山道を上って、新井の本家を訪ねたことがあるという。祖父が亡くなったころまでは、親戚付き合いが続いていたそうだ。事情は知らないが、湯河原に住んでいた祖父の定吉さんは、実家に帰ったきり一向に戻らない亀次郎さんを伊東まで迎えに行ったらしい。父曰く、龜次郎さんは優しかったが身体が弱く、背中に大きな瘤があって、父が子供のころ、よくさすっていたらしい。その昔は羽振りが良かったものの、龜次郎さんは与太だったから、お金を使い込んで大変だった、と祖母から聞いたこともある。子供の頃から「龜」の旧字体が、なんだかとても愉快で妙に親しみを覚えていたのは、曾祖父の印象が強いからか。

国連グテーレス総長はマドゥーロ拘束に関して否定的な発表。マドゥーロはニューヨークの裁判所で無実の申し立て。副大統領デルシー・ロドリゲスが大統領代行就任。「舌の根も乾かぬうち」、とは適当な表現でないかもしれないが、トランプ米大統領、グリーンランドを米国領にと発表。明らかに世界は変革の時代を迎え、従来とは全く違う型破りの規範が颯爽と躍り出てきた、とでも呼ぶしかないのか。国際秩序も勢力均衡も変わってしまった。

1月某日 ミラノ自宅
グリーンランド買収計画に抗議する声明には、他の欧州首脳と共にメローニ首相も署名。北大西洋条約機構の危機と新聞は書きたてている。
隣の部屋で息子が「白と黒で」を練習しているのを、何となしに聞きながら、「白と黒で」の2年前に作曲された「春の祭典」が大きく翳を落していることに、あらためておどろく。ストラヴィンスキーが音楽史に与えた影響を痛感。彼がいなければ、現代の音楽もきっとずいぶん違っていたにちがいない。マクロン大統領は「米国は同盟国から離れつつあり、新植民地主義と帝国主義へ向かっている」、トランプ大統領は、「国際法よりも自らの道徳的価値観が優先」、とそれぞれ発言。米軍によるナイジェリア再攻撃も示唆。EUは瓦解に向かっている気もする。ヴェネズエラに続き、イランで政府に抗議する暴動が激化しており、現在のところ70人死亡との報道。

べネズエラやイランのニュースをみていると、喜ぶ市民も憤る市民も映し出されていて、ちょうど、ベルリンの壁が崩れ、ソビエトが崩壊し、ユーゴ内戦のあとのバルカン半島の市民の姿を思い出す。何が正しいかなど、部外者には何もわからない。それぞれが正しいと信じることを声高に叫び、それぞれが間違っていると信じることを糾弾する。人工知能が我々の生活に浸透すればするほど、「正しさ」は均一化し、社会構造は分かりやすくなってゆくのかもしれない。人工知能が登場する前、コンピュータが我々の生活をよくも悪くも単純化してくれていたから、下地は既に出来上がっていたのだろう。

国が倒れるとき、国そのものが新しく入れ替わるわけではない。以前の均衡が揺らいで、コペルニクス的に常識が覆されるに過ぎない。憎しみは残り、或いは薄められていきながら、一人ひとりが現実を各々やり方で受容れて、執り成してゆくのみ。

1月某日 ミラノ自宅
朝、運河のほとりを歩くと、表面は氷が張っていてうつくしい。水鳥たちは、氷の上で佇む。母に電話すると、新年だからと父と二人で町田「流木」で鰻に舌鼓を打ったきたそうだ。「本当においしいから、あなたにもぜひ食べさせてあげたいわ」。

息子は、国立音楽院で、長年この音楽院で教鞭をとって、今は既に退官しているバルツァーニのショパン練習曲のワークショップに参加して25の4を弾いてきた。旋律はカンタービレにより豊かに歌うこと、左手はハンガリアン舞曲のように華やかで音楽的につくることで、音楽の線を太くしてもらったらしい。
イランでの抗議活動による死亡者は100人を超え、1000人以上負傷し、2600人以上が逮捕、とも報道されている。米軍はシリアへ報復攻撃、ミネアポリスでは移民税関捜査局ICEへの抗議行動が広がっている。
考えてみれば、世界は大国の覇権によって世界情勢が不安定化するだろうと、以前から盛んに云われてきたのだから、予想通りになったに過ぎない。しかしながらこんなにも早く、数年前まで信じていた常識が簡単に覆される心の準備ができていなかっただけだ。
そう考えてみれば、ウクライナ侵攻も起こるべくして起こったとも言える。以前から、既に国連が機能不全に陥っていたのは、世界が既に次のフェーズに明確に舵をきっていたからかもしれない。そうであれば、もうプーチン大統領やトランプ大統領がいなくなれば世界が安定するわけではないのだろうし、実は安定すら欲していないのかもしれない。アメリカ大統領を選んだのは、アメリカ国民なのだから、トランプ大統領が失脚したところで、彼のような存在を欲する国民が入れ替わるわけではない。
第二次世界大戦から80年、ベトナム戦争から50年も経って、血沸き肉躍るエキサイティングな日々を渇望するようになったのは、どうやらアメリカ国民だけではないようだ。

1月某日 ミラノ自宅
「 64 Leçons d’harmonie offertes en hommage à Jean Gallonジャン・ギャロンに捧ぐ64の和声課題集」は、1919年から48年の間に高等音楽院の和声科賞をとったギャロンの弟子たちの和声課題集で、デュティーユ、デュルフレ、ピエール・サンカン、といった作曲家の他、ロベール・カサドシュ、アンリエット・ロジェ、ポール・トルトゥリエ、ガロワ=モンブランといった演奏家=作曲家の作品も収録されていて、中学の終わりだったか高校生のころだったか、三善先生からこれを読んで勉強しなさいと貸していただき、そのままになっているもの。第二課程の聴覚訓練の授業では、しばしばこれらの課題を学生と一緒に歌うのだが、昨日はここからメシアンのコラールを選んだところ、意外にも学生たちに大好評であった。歌う前にピアノで音を拾っていると、ジャズみたいで恰好良い!誰の曲ですか、と学生たちが寄ってきた。メシアンだよと言うと、ええ、メシアンってあの訳が分からない曲書く人でしょう?ガーシュインかと思っちゃいました、などと揃って歓声を上げた。メシアンのコラールが若い人にはジャズ風に聴こえるとは、未だかつて想像したこともなかった。ディティーユを歌ったときには、特にこれといった反応がなくてがっかりしたが、流石メシアンだと感心する。
興に乗じた学生らから、先生は普段何の音楽を聞くのですかと尋ねられ、言葉に窮する。「あまり音楽を聞くことはない、聞く時間もないしね」と答えると、その答えが不満だったらしく「学校に来る途中とか、何か聞いたりするでしょう」、「自転車だからねえ」、「ああそうか。危ないですものね。じゃあ昔はどんなものを聞いていたのですか」、「色々かな」、「たとえば先生の世代だと、ビートルズとかローリングストーンズとか?」。

水道契約の名義変更に必要な水道メーターの写真を撮るため、エルノに出かける。カドルナ駅で偶然ベッツァに会った。半年ぶりくらいに会うベッツァはコモの国立音楽院へ授業にでかけるところであった。
ナディアの病気については、彼も詳細は知らなかった。余りに気の毒だから、周りの誰も事情を尋ねることができないという。ただ、突然言葉で話せなくなって、身体が強張ってきた、ということだけ。

コモ湖に着くと、人影もまばらで寒々としている。観光シーズンを外して平日となるとバスもがらがらで、運転手にエルノに行くと伝えると、数人いた他の乗客も驚いていたのも無理はない。店は一軒もなくて、日々5本くらいしかバスは通らず、休日にはそのバスも運休する。住民は数えるばかりで、大方はミラノなどに住んでいるイタリア人の別荘らしいが、最近ではドイツ人やらデンマーク人やらイギリス人のような外国人が、眼下にコモ湖が見える何もない生活が気に入り、家を購入するらしい。そこに、いみじくも日本人がひとり、水道メーターの写真を撮るためにバスに乗っていたわけだ。エルノはバスの本来の路線から外れた場所にあるので、降りる乗客がいなければ、バスは通ることすらない。だから、エルノからバスに乗るためには、村へ登っていく道がバス路線とぶつかるところまで歩いていかなければならない。
家に着いて、鍵を開けて外壁に埋め込まれた電源盤を入れ、ブレーカーを上げて、凍結を防ぐため閉めてあった水道を開き、ガスと暖房をいれた。帰りはネッソまで持参した折り畳み自転車で坂道を下る。遠く下の方にひろがる湖面が美しく、山の合間の晴れ間が心地よい。雲とも霞ともつかない、不思議な光線。エルノでは1軒、外に洗濯物が干してあった以外、人の気配がなかった。
グリーンランドに欧州各国が派兵。物事が進む時は、こんなにもめまぐるしく変化するものかと、空恐ろしい心地がする。

1月某日 ミラノ自宅
無心になって楽譜を書いているとき、ふと、掛け替えのない何かを自分は消費しているだけではないか、と疑心暗鬼にかられる。

家人の口元にソースがついていたので、「口の周りがくわんくわんだ」と指摘すると、「くわんくわん」は何かといわれる。和尚のぼた餅を盗み喰いした小僧が、餡を仏像の口元につけて仏様に罪を着せた。怒った和尚が仏像を「喰ったのか」と棒で殴ると、金でできた仏像は「喰わん喰わん」と声を上げた。家人は生まれこそ松山だが、育ちは大阪で、料理の味付けなども関西風で、家で関西弁を話すことはないが、イントネーションは関西風である。何でも「くわんくわん」は関東の方言だそうだから、彼女が知らないのは当然であった。
「和尚と小僧」の小咄によれば、可哀想な仏様はこのあと鍋でくたくたに煮られて「くったくった」と声を上げるわけだが、「くわんくわん」も「くったくった」も日本語の擬声語、擬態語の表現力とセンスの良さに感嘆する。

日本語といえば、今日の日経メールニュースのタイトルが奮っていて、「トランプ2.0、ジャングルと化す世界秩序、屈服する弱者と増長する強国」。ダボスでのG7首脳会議は調整難航。加・カーニー首相は世界秩序の断絶について、「弱者の可能性は、誠実であることから始まる」とスピーチをした。
トランプ大統領は「The Board of Peace」平和評議会を各国に提案。ガザ復興を名目にした国連安保理の代替機関だそうだ。グリーンランドではアメリカに抗議するデモ。イランの抗議活動での死者は数千人にのぼる可能性との報道。イスラエルは、東エルサレムの国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWA拠点を重機で破壊。

1933年2月24日、松岡洋右が国際連盟脱退して帰国したところ、国を挙げての喝采を浴びた。「連盟よさらば。遂に協力の万策尽きる。総会勧告書を採択、我が代表、堂々と退場す」。凱旋帰国の新聞記事が躍った。
国の命運を握り、方向性を決定づけるのは、一世紀前であれ現在であれ、つまるところ国民自身であった。言い換えれば、どのような切っ掛けで生まれたものにせよ、国民がつくりだしたうねりのエネルギーは、政治の力で簡単に鎮圧できるものではなく、巨大な慣性の力でかかっているから、簡単に方向も変えられない。イランもアメリカも、一体これからどこへ向かうのか。

1月某日 ミラノ自宅
指揮のレッスンの合間に、ピアノのグレディスが、今度、武満さんの「小さな空」をやるんだけど、英語訳はあるけれど、原語の歌詞を知りたいからちょっと教えて、と言われて、その場で簡単に訳す。

小さな空    武満徹
青空みたら
綿のような雲が
悲しみをのせて
飛んでいった

いたずらが過ぎて
叱られて泣いた
こどもの頃を憶いだした

夕空みたら
教会の窓の
ステンドグラスが
眞赫に燃えてた

夜空をみたら
小さな星が
涙のように
光っていた

Quando vedo il cielo azzurro,
le nuvole come cotone,
portando la tristezza,
sono volate via.

Quando facevo troppi capricci
mi rimproveravano, poi piangevo.
Così com’era, mi ricorda la mia infanzia.

Quando guardo il cielo del tramonto,
dalle finestre della chiesa
i vetri colorati
si sono incendiati, di rosso…

Quando guardo il cielo della sera,
le piccole stelle,
come lacrime,
brillavano.

できるだけ武満さんの言葉がそのまま伝わるように訳していったのだが、訳していてどうしても「ステンドグラス」に相当する伊語が浮かばないので、グレディスや他の学生たちに尋ねてみたところ、あれ、なんて云うんだっけ、Il rosoneは薔薇窓のことだからちょっと違うよね、と考え込んでいる。Il rosoneを仏語にすると、悠治さんのRosaceになる。

そこでグレディスがインターネットで検索したところ、伊語にle vetrate istoriateという正式名称があることがわかった。ただ誰もその言葉をついぞ聞いたことがないという。反対に、英語のStaind glassと言われれば、教会のあれ、と誰でもすぐにわかるというのである。どういう経緯かわからないが、面白いものである。じゃあどうしようか、と居合わせた一同で相談して、皆に一番しっくりくる「色ガラス i vetri colorati」と訳した。グレディスは両親がアルバニア1997年騒乱で焼け出されたアルバニア難民だと聞いていたので、このところアルバニアで続いている反政府デモ激化が気にかかっていたが、たずねるタイミングがなかった。

息子はフィエーゾレのルッケジーニのレッスンを受けにいき、23時50分ミラノ着の列車で戻ってきた。
毎日ニュースはアメリア大統領の動向について話している。ダボス会議でゼレンスキー大統領が、1年前からEUは何も変わっていないとEU批判。トランプ大統領の平和評議会にイタリアは不参加を表明。日本がどうするのか、まだ発表がない。今までの常識が明日の常識とは限らない。

超大型暴風雨「ハリー」によるシチリア島ニシェーミの4キロにもわたる大規模地滑りは、じりじりと進行を続けていて、今日も3階建ての住居が崖に崩落したそうだ。文字通り世紀末的な様相を呈している。死亡者がでなかったことが不幸中の幸いだが、ラクイラの地震を思い起こせば、今後復興にどれだけ時間がかかるのか、まるで想像もできない。3億5千万立方メートルもの土砂の流失は、1963年、1917人もの死亡者、1300人の行方不明者を出したバイオントダム災害を既に越えているとの報道もある。

1月某日 ミラノ自宅
夜半、仕事をしていると、キュン、キュンと小動物の鳴き声とも電子音とも見分けがつかない、初めて聞く不思議な音が聞こえた。気のせいかとも思ったが、たしかに3回繰り返したから錯覚ではない。リスではないし、鳥の仲間だったのだろうか。

ピネローロでルーポからバラード4番を教わって帰宅した息子が、早速隣の部屋で復習しはじめた。一体何をどう教わってきたのか知らないが、無為に凸凹していた部分はすべてなだらかに、流れるように弾けるようになっているし、冒頭から、音がずっと繊細でありながら雄弁にひびく。それでいて、感情で音楽を押す部分がほとんどないから、音はつねに澄んだままで、聴くものの心にすっと染入るようである。有能な教師の業にかかれば、たった一回のレッスンでこうもブラッシュアップができることに、ただ驚嘆と畏敬の念をおぼえる。

スペイン・サンチェス政権が、12月31日までに既に5カ月以上居住し、犯罪を犯していなければ1年の居住許可を与え今後の更新も許可される、大規模な不法滞在者合法化案を発表した。スペインの3パーセント近い経済成長率は欧州連合の平均の倍近くに達し、2016年から25年の間の労働人口は、イタリアがマイナス0.3%なのに対しスペインは9%以上増加している。スペインは中南米からの移民を広く受け容れていて、これらの経済状況を下支えしている。もちろん、モロッコ、アルジェリアや東欧などからの移民も多いが、スペイン語話者である中南米からの移民に対して、スペイン人は歴史的に特に寛容であった。
今回合法化される不法滞在者は、のべ50万人に達する可能性がある。イタリアを初めとする、EU各国が外国人を排斥する傾向にある中で、総人口の14%を外国人が占めるスペインは特異な経済政策をとり、低い出生率にも関わらず、結果として総人口も順調に増加を続けている。外国人流入に対し厳格な措置を講じた米国に替わり、スペインをめざす中南米の労働者も増えている。

このニュースはかなり衝撃的であった。伊語でsanatoria stranieriと呼ばれる、違法滞在者の合法化はイタリアでも行われていて、学生ビザを就労ビザに変更するため、警察署に何度となく通っていたころ、隣の窓口に長い列が続いていた。
学生ビザを就労ビザに変更するのは、殆ど不可能に近い試みだったし、何故取得できたのか未だに不思議なくらいだから、いっそ不法滞在者になって合法化手続きを申請した方が容易ではないかしら、と隣の列を恨めしく眺めたものだが、合法化できる人数は厳しく制限されていて、先着順で瞬時に一杯になる。そのためなのか、合法化手続きの列はいつも殺気立っていた。
外国人移住者として暮らして、見えてくる風景もある。妙なプライドとか選民意識など、否が応でもかなぐり捨て、ただ一人の人間として生きてこられたのは、自分にとってとてもよい経験であった。どこで生まれたかを相手の判断材料にするのではなく、どこに生まれようと人は人であって、そのなかには品行の善いのも、悪いのもいる。
ロシアによる攻撃で広く停電の続くウクライナが、厳しい寒波に苛まれている。トランプ大統領によれば、1週間の停戦にロシアが同意したとの報道。

1月某日 ミラノ自宅
学長からの一斉メールが届き、ミラノ県の布告に基づき、2月6日はミラノの外環道内側にある学校は全て閉鎖されるそうだ。東京でいえば、規模はミラノの方がずっと小さいが、山手線圏内の学校がすべて閉鎖される感じか。オンライン授業は変更なし。ついては補講などの準備を進めたし、と書かれている。ちなみに、その前日5日も鉄道のストライキが予定されていて、学校も休校。東京でオリンピックが開催された際、同じような措置が取られたのだろうか。オリンピックに合わせ、米移民税関捜査局ICEがミラノに入ることに反対するデモ開催。メローニ首相曰く「有事の際はアメリカに頼っておきながら、今回に限りICEを拒否すると、整合性がないでしょう」。

日々の暮らしに忙殺されているからか、イタリアのニュースでは、ニシェミの崩落の方がよほど大きく取り上げられているからか、オリンピック開催の実感は殆どない。イスラエル、停戦後最も激しいガザへのミサイル攻撃実施。La Reppublicaによれば、少なくとも子供を含む32人が死亡した。停戦合意後の死者は500人を超えた。ロシアからの一週間停戦実施は現在のところ確認されていない。

(1月31日 ミラノにて)