「師父よもしもやそのことが
口耳の学をわずかに修め
鳥のごとくに軽跳な
わたくしに関することでありますならば」……(野の師父)
と、宮澤賢治はここまで書いて
「軽跳」という語でよかったか
誤字のような気がするし、と
でも藤井さん、軽跳でゆきましょうや はは
と賢治はわらう、振り返りながら
「そのこと」とはなんでしょう、賢治さん
作物への影響
二千の施肥の設計
そうね、施肥と「風のことば」(のどにつぶやく)
わらうはずはないね、藤井さん
前月にはあけがたの奈良の鹿のぴー 尻から出すおならの音で眼を覚まし
今月は「かげぐち」とたたかいましょう、百の種類と言いました
わあ 百も数えるのです。 しかも「思いを尽くして
ついに知り得ぬものではありますが」と
賢治は言います。 ぴー、知り得ぬことと知りながら
でも一つ一つ、畝に沿って播種のように
施肥を続けましょう、この世への施肥
(富山妙子さんのイベント「海からの黙示」へ出かけました。シカゴ大学のノーマ・フィールドさんたちのサイトには富山さんの絵が使われています。ゲーテの「魔法使いの弟子」たちが集まりました。富山さんは言う、「3・11からあとの日本社会は、厳粛な祈りの時にあって、近代が犯した何かを、償おうとしていたし、私〈富山さん〉も絵をかき続けた。それが一年も経つと、どうだろう。近代が滅んでゆく。ぶちこわしてゆく日本。それでも次代への贈り物をかき続ける」と。制作を始めて二年目、異形の蝶の死が発見されたという。「死して成れ、蝶よ」と、苦境にあるときのゲーテからのメッセージだと言う。すみません、曖昧な聞き取りで。鎌田さんは大きなスクープ「吉田調書」を押しつぶす一斉の反朝日キャンペーンとは何だろう、と問いかけていた。私もここに書いておこう。いちえふ(という漫画がある)から第二原発へ逃げてどこがわるい。おれだってヒラだから逃げるよ(とあのときおれもシンクロしていた)。東電社員の名誉が傷つけられた? 吉田はあとからであろうと「2Fに行った方が正しい」(幹部は別だろうけど)と、それを朝日が報道する理由はあるし、近代百年、新聞が「ごめんなさい」をさせられてきた数ある歴史のなかで、このスクープから調書が出てきた意味はもの凄く大きいね。三十年後に公文書館から出てきたって意味ないんだ。というより、国立公文書館あたりに眠る「資料」類はいろんな隠蔽工作の結果どもなんだから。そうさせなかった、今回の歴史への関与は新聞の役割そのものであり、施肥(ではない、是非)高く評価しなければ。)