心臓

璃葉

夜空が蕩け落ちた
重く、暗く、あたたかく、広がっていく。

椅子にすわり、手を額に当てて、一日を考えで潰してしまうとき、
赤い心臓のなかにはきまって空洞ができている
文字と思い出の羅列
青い枝の刺繍
黒い傷とひんやりと冷たい何かが、暗号めいた意味のない声を出して
身体中に響いている

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