グロッソラリー ―ない ので ある―(25)

明智尚希

 「1月1日:『またある時なんか、何がきっかけかわからないけど、7,8人のごろつきと大立ち回りを演じて、それを止めに来た警官が、そいつを取り押さえようとして4人がかりで挑んだんだけど、全然つかまえられなくてもう1台パトカーに応援を求めたんだってさ。総勢八人でやっと取り押さえることができた。そのままトラ箱行きだよ』」。

トリャア≡(:D)┿━<☆(/+O+)/ウワア

 生前、特に目立ったところもなく友人・知人も限られており、世間に相手をしてもらったとはとても言い難い人が亡くなると、途端に主人公の座にのし上がる。親族はもちろん、少しだけ交流があったかどうかという人までが、話題の一番目のネタにしてどれだけ人に好かれていたかを論じだす。生を辞めた人間を褒めそやすのはどうしてだろう。

ナンマイダー Ω\ζ゚) チーンッ…

 ぬのうして/ぬのうめかして/ぬのうして/ぬのうまみれに/きてかんこけう

ヾ(。ё◇ё。)ノ ぐへへへへ♪

 毎度毎度お騒がせしております。まるで百獣の王ターザンが、かくかくしかじかの事由で来日し、二子玉川と錦糸町の区別がつかず、サンフランシスコ平和条約の調印式で、キャミソールを販売して七転八倒、荒川を流れる荒川にぶち込まれたような塩梅ではありますまい。大した役者は白湯など虚仮にする。以上の理由で辞任します。八十年後。

ターザン (;-0-) ア〜アア〜

 街の中は一長一短に満ちている。色とりどりの看板にめまいにもまがう目移りをし、人や車の音声に歩く集中力を減退させられ、すれ違う人々がいちいち顔を見る。その一方で、むき出しだった精神状態を群衆の中にまぎれ込ませることに成功するし、混濁した思考は、体臭の移り香や人間の実在性そのものによって、ある程度取捨選択される。

・・・(・・*)ノ ⌒◇ポイッ

 「1月1日:『トラ箱から出て自分が何をやったのか警官に聞いたら『何も覚えてないのか!』と一喝されたんだってよ。警官八人と大立ち回りを演じながら、本当にな〜んにも覚えていないなんてすごいよな。公務執行妨害でてっきり逮捕かと思ったら『よっぽど逮捕しようかと思ったよ!』とまたどなられたって。酒の力はすごいもんだ』」。

∵. バキッ (゚O゚(C=(`皿´

 「もらう」とは、AとBがいた場合、AがBに我が物としたい意思を伝えたり、BがAに心中の思いや特にめでたさなどの気持ちを込めたりして、兌換貨幣や日常用の物体などをAに渡して、Aの所有とすること。また、実子でない者を養うために親となる時や、男性にとって配偶者となる女性を家族に加える時などにも用いる。

畄ヽ( ̄ー ̄*)アリガトウ♪

 懸賞に頻繁に当たる人。トラブルに巻き込まれがちな人。いつもどこでも人の輪の中心にいる人。人間には役割がある。配役と言い換えてもいい。良くも悪くも彼らが「自分役」から抜け出すのは不可能だ。いかなる努力をしたところで、役割に甘んじなければならない。役割の殻を破る唯一の方法は、他人か自分の命を終わらせることである。

(`Д´)⊃√

 圭介がこのトラックに乗るようになって5年になる。人間、5年もすれば順応するものである。当初は道行く人の驚きと軽蔑の視線や、女子高生たちの露骨な反応に戸惑うことも多々あったが、そうした経験への慣れも加わって、現在ではマイカーを運転しているのと同等だった。圭介が運転しているトラック――透明なバキュームカーである。

Σ┌┘車└┐=3 =3 =3

 まずはじめに終わりのことを考える。しかも突然にして最悪の終わり方を。終わりと連係していると察知した案件や機会を、次々とモグラたたき式に引っ込め、あらゆる可能性を想定して予防線を張っておく。この生活は決して短くない。おそらく諾う人などいないだろう。最悪の終わりが来る前に、消耗して自滅する姿が目に見えるからである。

ツカレタ━・゜((⊂|=´Д`=|⊃゜・━

 「1月1日:『数か月に一度そうやって騒ぎを起こしてた。せっかくの断酒生活もぱーになって、また朝からウオッカ。アル中って治らない人は一生治らないらしいね。依存症もそう。ごくたまに飲む程度といっても、前後不覚になるまで飲むのは、依存症の一種でアルコール多飲症っていったっけな、立派な精神疾患の一つなんだってさ』」。

_ノ乙(、ン、)_ ウウウ……

 しかし時代は変わったね。トカゲの尻尾はどこへ行くという心境じゃよ。聞くとこによると昔は生徒の髪が茶色かったら大目玉食らったのが、今じゃ教師が茶色にしてるっつうじゃないか。一般意志は移り気だねえ。さてはデリヘルを手本にしたな。やい、腰かけのBGども、貴様たちのお豆を図形楽譜にしようと思うな。時代は変わったんじゃ。

(・。- )ノ~・゚★,。・:*:・゚☆ウフッ♪

 自分の経験や知識だけが正しいと信じている人がいる。経験のない分野についても、さも経験豊富であるかのように臆面もなく弁じ立てる。実益のない内容を長時間聞かされるケースが多い。この言うも愚かな人物は、老いて自分から離れることを知るにつれて程度の低さを自覚し、末期へ続く吊り橋を地につかぬはずの足で少しずつ瓦解させる。

(/・_・\) ガッカリ

 呼んどくれそや 張っちょろけ
乱離骨灰の でかおっぱい
もんや狩ろうと 知っちょろけ
あんだれさったれ さほうべな
損さかろうなら 出目とりを

ヾ(-_- )ゞエラヤッチャヽ(~-~ )ノエラヤッチャ /(._.>ヨイヨイ((~-~)ノヨイヨイ

 昼食は摂らない。ダイエット、我慢、健康関連、どれでもない。脳への血流が悪くなると駄目らしい。体調がさほど悪くない時、マゾヒスティックな意味ではなく、有害な神経過敏状態を総身が欲するのである。体内時計が日中も苦悩の時間として、設定されているかのようだ。そうして得たものは、夜へと持ち帰られて不眠の元締めとなる。

(; ̄д ̄)ハァ↓↓