2020年は、大きな転機になりそうな年だ。なんといっても東京オリンピックと戦後75周年が同じ時期に重なる。アメリカの圧力で、8月になったらしいが、閉会式が8月9日というのも気になる。国連事務総長をはじめ各国の要人がこの時期に来日するから、日本が閉会式で、核兵器禁止条約に署名でもすればまさに日本でオリンピックをやった意味がある。
昨年、サッカーのオリンピック代表チームのユニフォームの発表があって、それがなんと迷彩色そのもので驚いた。「日本晴れ」をテーマに雲をちりばめたらしいのだが、どう見ても、海兵隊や海上自衛隊の軍服そのもので違和感を覚えた。
中東では、青の迷彩は、警察が着ることが多い。国際試合などで政治的に微妙な国同士が対決する場合は、青の迷彩を着たポリスがピッチの周りに配備され緊張感を醸し出す。しかし、日本人の多くは青の迷彩に戦争のイメージを感じてないようで気にならないようだが、もう少し気の利いたデザインはあったはず。一体だれがこういうのを考えるのだろう。
一方、日本サッカー協会は、昨年暮れに親善試合を広島、長崎で開催し、オリンピックイヤーに向けて、サッカー選手がヒバクシャの話を聞いたり、千羽鶴を慰霊碑に献上したりして盛り上げていた。森保監督は、長崎で育ち、広島でプレーした。2014年のインタビューでは、「ここでたくさんの人が亡くなられて、そういう方々の犠牲があって、今の我々の豊かな暮らしがある。幸せな暮らしがあるということ。そこは忘れちゃいけない。広島という都市で活動するものは、活動する意義を忘れちゃいけない」と広島ドームの前で涙ぐんでいた。いい監督だなあ。選手たちも、森保監督は謙虚な人で、意見を聞いてくれて素晴らしいという。
新年早々に、オリンピック出場権をかけたU23の選手権がタイで開かれた。日本は開催国なので、参加が決まっているが、残りの3か国をアジアで選出する大会だ。シリアと日本が同じ組だったので、僕は、シリアを応援していたが、なんと、日本は後半の残り数分のところで失点し負けてしまった。TVの解説は、シリアの選手が倒されていたがっていると、「わざとだ」というような下品な解説もあり嫌な感じだったが、
相馬選手は、インタビューで「やっぱり得点のあとにああやって泣いて地面にうずくまって喜ぶ選手がいたり、僕らも全力で戦うというのは話しましたけど、そこは本当に賭けているものが違うなというのは身に沁みました」と語り、対戦相手の五輪出場に対する気迫をひしひしと感じていたようで好感が持たれた。
結局日本は3試合やって一勝もできなかった。当然監督への批判が高まる。これ、今の日本社会だと思う。TVは今まで、森保監督は素晴らしい人格者みたいな持ち上げ方してきたのに180度変わって、「戦犯」扱いだ。
オリンピックに来るのは、韓国、サウジ、オーストラリアの3か国に決まった。個人的には、今も戦争で苦しんでいるシリアとかイラクに来てほしかったが、オリンピックを平和の祭典にするかどうかは、我々日本人にかかっており、世界から期待されていることを忘れてはいけないと思う。森保監督の平和主義者の部分はめげずに強く打ち出してほしいものだ。