Netflixのオリジナル韓国ドラマ「愛の不時着」がとてもおもしろかった。1話90分、全16話。「冬のソナタ」以来、夢中になって観た韓国ドラマとなった。
ソン・イェジン演じる韓国の女性がパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着してしまい、そこでヒョンビン演じる北朝鮮の男性と出会い恋に落ちる。恋に落ちるなんてことが成立するのだろうかという両国間の現実を考えると、2人の恋はファンタジーそのものだ。
前半が北朝鮮、後半は韓国を舞台にドラマは進む。韓国が描いた北朝鮮ではあるけれど、素朴な人情が失われていない、人間の手による暮らしが営まれている国として好意的に描かれている。両国の歴史に疎いからのんきに見ていられたという面もあるかもしれないけれど、いいメロドラマだった。「愛する人のために命を懸けることができるか」なんて青臭いことを久しぶりに思ったりもした、
これから見る人のために詳しいストーリーは書かないけれど、ハラハラドキドキする要素もあって、毎回見ごたえのある連続ドラマだった。主人公2人を取り巻く多様な登場人物もいて、それぞれにもファンができただろうなと思った。
韓国ドラマはラブシーンもキスシーンまでで過激な描写をしない。このことによってプラトニックラブ度が増して、ドラマはますます現実離れしていく。要するに現実逃避しておとぎ話の世界に浸っていた16話だったのだけれど、興ざめさせないストーリーと映像はさすがだと思った。
要約してしまえば、「たったひとりの大切な人と出会うことができた2人は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ」という王道の物語なのだけれど、コロナで出かけられない夏休みには飛び切りのエンターテインメントだった。