上空の林檎から林檎水がしたた、る

芦川和樹

箪笥が降る現象 落ちてくる
落ちてくる抽斗。小麦の箱に
小壜            → → →
小箱に、雲を
詰めています(いまやってます

どの喉にも雲のかよった痕跡があり

マーマレードとの約束はまだ生きている
とのこと、それは口約束だったけど

不死身であれば、こちらはへっちゃらで
裂けても。煮ても焼いても 凹んでも
平気さ さあ 戻る

光沢紙の放つ、これが
さいごの光だよお食べ
毛蟹を

豚汁を
マフラーを指に巻く(木洩れ日

そうやって、そのうちに鈍くなっちゃって
凝った。疑った、歯に挟まった わた
糸てきな

計画や、形状
内実
あらゆる如雨露に汲まれた水を
いま撒く てきな

芽をだして

歩道橋からうそを吐いて
見上げては降るものたちを串でつく
散らかさない、喉を貸さない
国旗などいくらでも燃やして
不幸にならない
雲をわたさない       → → →

しっぽの先が
レストランをつらぬく
屋根がくずれていて なにか見えるね
梯子を、盗まれた梯子をかけて
手が届く 壊れた部分は蛇口にしよ
ふやけてしまえ(爽やかな風 みどりのうつくしい泥濘、ぬかるみ。それからまどろみ ノートに沈む缶切りのうた、缶蹴りを 教わった