受験の月

仲宗根浩

受験の月である。お嬢様の試験初日、空港までバスで行くため、いっしょに受験する高校のバス停まで。バスの中で問題集の中の単語の発音がわからないと聞かれたので調べて発音を教えたりしていると、バス停に着き雨の中集合時間に間に合わないとバスを降り、小走りで行く。こちらはそのまま空港まで行き羽田行きの便で東京に行くと曇り空。迎えに来てくれた丸ちゃんと浅草に行き師匠の墓参り。好きだった宮古の泡盛をお供えする。娘が試験を受けている間、父親は酒を喰らい、悠治さんのピアノを聴く。沖縄へ戻る日に晴れて、那覇空港に着くと雨。バスで帰る。

戻った翌日は卒業式で数年ぶりにスーツ、ネクタイで出席。式が終わると仕事に行く。そのあといろいろ行事があったみたいだが、休みになったことがないのでそのあと知らず。

合格発表の日、合格していたら色々その日に手続きごとがある、というので付き添うことになる。発表の場所に行くと既に受験番号が張り出されている。番号は聞いていたので先に行くと合格確認。こっちはわかっているが、びびりのお嬢さん、なかなか前に行きに確認しようとしないので促し、近くまでつれていくがうかぬ顔。自分の番号とは違うところを見て何故か落ちたと思い込んでいる。天然ぶりをあらためて確認させられる。

後日、教科書を受け取る日も付き添いで行くと低空で飛ぶオスプレイ。基地近くの家から別の基地近くの学校に通うことになっただけ。帰りはヘリコプターの音を聞きながら、重い教科書類を持ち駐車場へと向かう。