Helpless

仲宗根浩

クリスマスが終わり、職場関係の花屋に売れ残った小さい小さいクリスマス用の植木があり値段は半額になっていたが百円でいいというのでつい一つ買ってしまう。その後別の種類のものを二つ買う。コニファーと書いてあったので調べると園芸用の針葉樹の総称らしい。小さな鉢を買い、うつす。土が少し足りず、買うにしても売っているのは多すぎるので実家に腐葉土と赤土が混ぜてあるのがあったのでそれを足す。久しぶりに赤土をいじったら赤土がついた腕がかゆくなった。小さい頃、新築の友達の家に遊びに行ったとき何も植えられていない赤土の花壇で土遊びをしていたら腕や足がとてもかゆくなったことがあった。三つの小さい木は天気がいい日は何時間か外に出してお日さまにあてたりして今のところちゃんと育っているように見える。

年末から年始、実家で録画した衛星放送の映画はまだ全部見終わっていない。十二月に「東京暮色」と「座頭市 果し状」を見て、三が日は深夜から「ゴッド・ファザー」の三部作連続で録画してそれを見たあとは進んでいない。「東京暮色」では中華そば屋のシーン、外から聞こえる「安里屋ユンタ」を発見した。「座頭市」では撮影が宮川一夫を見つけて、特集した番組を見たばっかりだったの俯瞰とかは西部劇そのもの。二つとも今では不適切な表現があるため地上波では放送されない。東京にいる頃「浮草」が放映されたとき、有名な雨の中の中村鴈治郎と京マチ子、喧嘩のシーン「人種」という台詞の音声が無音になっていた。まだまだ録音した年末、年始のラジオ、これも未聴なものがある。

タブレットを使っていると再起動のループに陥り、遂に落ちて電源が入らなくなった。兆候はあった。タップすると再起動したりということがたまにあった。四年以上使っていて一度修理に出している。結構落としたり、雑に使っていた。しばらくタブレット無しで生活してみようか、と思ってやってみるとこれが不便。まずタブレットをラジオとして使っているのでラジオを聴くためには自分の部屋のパソコンの電源を入れなければならない。ラジコでないと聴取できない番組が多い。うちのパソコン二台ともそろそろ十年経つので起動が頗る遅い。OSのサポートも来年には終わる。お知らせメールの保存、削除もほったらかしになり、いかにタブレットに依存していたか思い知らされる。新しいものを買おうと思っていて色々値段を調べると一番手ごろなのは最近よく話題になる中国メーカーのものしかない。それも値段が日々変わる。タッチパネルの入力が苦手なオールド・スクールの人間にはキーボードは絶対必要、で日々変わる値段を見ながらこの価格なら、というところでカートに入れる。タブレットが起動しなくなった日、レジー・ヤングが亡くなった日だった。初めて名前を意識したのは二十年くらい前、プレスリーを聴いてみようと購入した「エルヴィス・イン・メンフィス」のCDにクレジットされているのを見たときだった。

こっちはいろんな自治体が年の初めの月からすったもんだで、その様子をみると出るのはため息ばかり、何やってるのと。頭の中でニール・ヤングの「Helpless」がリピートで鳴る。