ETが来て、台風が来た

仲宗根浩

七月半ばから左の足、腕に若干のしびれ。頭の中の血管に詰まりでもあるとまずいとおもい、病院に行き、頭の中を輪切りして見てもらうが異常なし。いつもなら七月に行く人間ドックもごちゃごちゃ忙しかったので行けず、予約を取ったら十月。その時に相談しよ。胃カメラは苦にならないが、検便は面倒だ。

うちのお嬢さんの小学校、始業式の日に旧盆に入る。小学校は二学期制、ガキの高校は三学期制。夏休みに入る時期も違うし、終わる時期も違う。同じ二学期制をしている小学校でもさまざま。それぞれの学校の裁量に任されているみたい。面倒くさいな〜、と毎年思う。

旧盆前、去年はメガネの半分が吹き飛ばされた八月の台風。来る前は記録的な台風とかで騒がれたが、うちは停電することもなく、台風の夜、窓から外を見ると四つ角で雨が渦巻いていたのを見たくらいで何事もなかった。そんな中でも歩いて普通に仕事に行く。Tシャツに短パン、ビニール袋に着替えを詰め込みメガネを外し、前かがみで向かい風を歩く。おもったほど風の抵抗もなかった。台風が過ぎると少しだけ夜が涼しくなるだろう。

八月は半ば、ETこと竹澤悦子が沖縄に来た。五月の連休に来る予定をたてていたけど混雑している時期なのでだめになり、たまたまお三弦ひとつかかえての演奏会で来るから会うことになった。演奏会は仕事で行けないのでこちらが空いている日が向こうが帰る日。飛行機の時間まで初対面のご主人と三人で観光する。暑さの中、グラスボートに乗ったり、御嶽に行ったり、漁港の食堂でご飯を食べたりと一年ぶりのだらだら観光をする。車の走行距離百三十キロ。小さいなこの島は。えっちゃんは格安で三線を手に入れ帰った。食堂で食べたイカ墨汁、そのあとどんな便が出たか報告は無い。

八月最後の日、子供のピアノのレッスン代が上がる、というよくない知らせを奥さんから聞かされる。これで九月もますます働くお父さんに徹してなければいけなくなった。こっそり買ったつもりがばれてしまった、マディ・ウォーターズとストーンズの公式発売された共演DVD、いつ見ることができるだろうか。夜の空、月はうろこ状の雲に囲まれていて、秋らしい素振り。でもまだまだ夏。引き続き早く夏終われ、とつぶやく。