かくれ肥満の六月

仲宗根浩

年に一度の健康診断の半日ドック。医者から、かくれ肥満と言われました。体型は問題ないですが、中性脂肪、コレステロールが高いです。お酒は?と問われれば、毎日、と答えると一週間に一回になさい!と言われ、そうお高く言われるとひねくれ者には逆効果、と思いながらも、まあ、詳細な検査結果が届いたらこちらも考えてみようじゃないか、と病院を後にする。しかし、今回の胃カメラは去年よりちょいときつかった。あれも医者の技量?それとも麻酔のかかり具合?おのれの年齢による体力低下か?

六月のある日、帰ると夜は十一時過ぎ、室内三十一度。台風のあと、梅雨が明けずっと暑い。扇風機が一台壊れた。モーターの異音、羽は回ったとおもうと止まったり。古いものじゃないけれど、これを機にこいつをあきらめ、二台扇風機を購入し各部屋一台づつ扇風機を置こうと考え家電量販店に行き二台購入。数日経ったある日、家に帰ると長らく使っていた扇風機が羽がぽっきり折れた状態で佇んでいる。高校入学後初めての中間テストで早くも数学で赤点をかましてくれた息子が倒してくれたらしい。各部屋一台扇風機というインフラが早くも崩れる。翌日にすかさず代替のため一台購入。クーラーの清掃も終えて長い夏に向けて体制がととのった。

早い梅雨明け後、小学生の子供はプール授業が始まった。学校から帰ってきても普通に外で遊びに行く。線量なんて気にすることがない普通の日常がある。

月食気づく間もなく、夏至の翌日慰霊の日。学校が休みのうちの小学生は、十二時に黙祷をする、と言っていたがいつの間にか時間が過ぎていた。母親に南の方角を聞き、風呂場のほうだと教えられると、ひとりで風呂場で黙祷をしている。

台風五号が近づく。今年は一号から近くに来たので行きつけの居酒屋、糸満出身のご主人は「今年は一号から近づいてくるから台風の当たり年かも。」と言う。漁師町出身だからその通りかもしれない。五号が通り過ぎたあと、雨がかなり降り、風が強い日が少し続いたので、しばらくは涼しくなったあとまたいつもの日差しの強い日にもどる。