さあ、どうしようか

仲宗根浩

ガキの入試が二日前に終わり、卒業式。風邪気味を理由に卒業式の出席をパスし、午後一時半ころ卒業式に出席した母親は帰ってきた。しばらくして卒業証書を持って帰ってきたガキ。すぐに着替え、遊びに行った。こっちは微熱なのか平熱なのかわからないまま布団の中に入りながら眠ったり、テレビみたりしていたら、地震速報。テレビはちょっと時間をおいて特番に変わる。北関東以北の知り合い、そっち方面に実家がある奴らに携帯のメールで状況確認をする。四時過ぎから次々と返信が来る。その返信のあとは数日、連絡は取れなくなったが。こっちは出勤の時間となり仕事場に行くと、津波警報のため避難している人がいる。市からの要請でカップラーメン二百個準備してほしい、との連絡が入り、いつでも避難場所に届けられるように準備をする。仕事終えて家に帰ると、東京の帰宅難民になった者からもメールが入ってくる。こちらでメールアドレスが分らない者はサンフランシスコ在住の知人にに教えてもらい、安否確認のメールを発信し、地震から三日後には安否確認は済む。

テレビではヘリを飛ばし被害の状況を伝える。タイマーズの「ヘリコプター」という曲を思い出した。阪神大震災のときからテレビ局はありったけのヘリを飛ばして惨状をヒステリックに伝えるだけ。そのヘリを最小限にして避難所の情報収集にあたれば孤立している場所が早く把握できるのに。「エリートだけが乗れるヘリコプター」。ゼリーはまっとうなことを歌っていた。

原子力発電所について、テレビはいろいろな数字を出す。数字が風評へひとりあるきする。関東方面へ食品や乾電池を送る人。店頭には電池、水、レトルト食品が品薄になる。

こちらができることは、今ある自分の仕事をまっとうにするしかない。そうしたうえで、身の丈に合ったことをする。