意見ヌワカランナトーシガ

仲宗根浩

なんだあ、この暑さは。部屋の中は二十六度。先月の中頃、寒くて思わず小さなファンヒーターのスイッチを入れる日もあったのに二月になったらこれだ。たまらず出しっ放しの扇風機の羽、埃を落としスイッチを入れる。はあ涼しい。天気もよくない中、湿った空気は洗濯物も乾かしてくれない、いまは梅雨か。

先月から続いている、おばさんの音声ファイル編集、バックアップの作業、ついでにもうやり取りがなくなったメールアドレスの整理と、しばらくパソコンいじりが続いていたころ、子供のカラーボックスの修理依頼がくる。久しぶりに曲尺を出し、カラーボックスの中板の寸法をはかり、材料のシナ合板に鉛筆で線を入れる。むかし、働いていたところではよく営繕仕事があったので余った三六(三尺×六尺)の合板は車に入るよう職場にある道具を使い、自分で切り、もらったものがまだまだある。電動丸鋸があればなあ、とおもいながらノコギリでギコギコやり、カラーボックスを分解(これは電動ドリルがあるのですぐ済む)し切ったものをあててみて、細かいところはヤスリをかけ収まるよう大雑把に仕上げる。作業が終わり道具箱の中を整理していたらキャスターが四個出てきた。お、これでギターアンプ、ベースアンプ兼用の簡単な台車ができる、と考えをめぐらしながらアンプの横幅、奥行きの寸法を測り曲尺で適当な大きさ材料に鉛筆で線をひく。うーん、長めに切るところがある。電動丸鋸欲しい。径の小さいのでいいんだけどなあ。でもめったに使わないものなんてお許しが出るはずがない。少し涼しくなったらまたギコギコやって、やすりとドリルでちゃちゃっと片付けてしまおう。

こんな二月、わたしの大好きなギタリストが逮捕される。するとレコード会社はかつて在籍していたバンド及びソロアルバムの出荷停止、大手のネット販売店も「一時的に在庫切れですが、商品が入荷次第配送します。」という表示を出す。音楽の作品自体にもペナルティを科すような対応にどうしようもない違和感を感じながら、何気なく見ていたテレビの沖縄芝居の字幕付き放映。「アサバン」という単語を「朝飯」、「シマァー」という単語を「島(離島)」という意味で字幕が出る。方言で話すことも達者でなければ、人様に語ることができる知識もないけれど「アサバン」はお昼ご飯を、やり取りの流れから発せられた台詞に含まれる「シマァー」という単語が村落を意味することぐらいはわかる。お金払って見ている番組、そこらへんはちゃんとしようよ、おもいながら二年後の七月二十四日までには我が家からテレビ受像機というものは無くしてやる、と意を決する。