炭焼き職人を訪ねて。

さとうまき

今日は炭の話。友人が火鉢に凝っている。不定気に火鉢カフェなるものを、東京の下町古民家などを借りて開催している。一日中火鉢をおいておいて、お客さんと駄弁るという。

あんまりイメージがわかないのだが、楽しそうだ。先日、福島の二本松の「道の駅」で桑の炭が売っていたのを思い出した。火鉢カフェに福島の炭を使ってもらおうと、わざわざ買いに行った。ここの所、福島は雪が続いている。芯から冷え込む。二本松の炭、桑を使っている。もともとこのあたりは蚕の養殖が盛んだったらしい。今では、桑の実のジャムや、桑の木を炭にしているという。どういう風に炭にするのか見たいと言ったらお店の人が、わざわざ農家さんの家まで案内してくれるという。

車で結構山中に入っていく。雪がだんだん深くなってきて、タイヤがすべり運転が大変だ。農家につくと、山男のような親父さんが出てくる。ちょうど釜で焼いているというので、さらに山を少し登ったところに釜があった。

最近、福島に行くようになって農家さんとのつながりが出来てき思うのは、農家のじいさん、ばあさんが実に絵になるということ。先日も柿を食っている柿畑のおじいさんの写真を展示してたら、涙を流しながら見てくれたお客さんもいた。

炭は、セシウムの汚染が心配だ。震災後は、今まで焼いていなかったが、売る、売らないは別に家庭で使うということもあり、とりあえず、昨日から炭焼きを再開したという。「どうせ、俺たちは先行き長くないからね」そういうと豪快に笑う。しかし、百姓、自分達の作った農製品、食べてもらわないと、むなしいし、哀しいのだ。そんな複雑な表情を写真にとらえようとシャッターをきる。帰りに、クヌギの炭を持っていけと下さった。立派な菊炭で結構大きい。それをわたしてくれたばあさんがまた、立派なもんぺをはいているから絵になる。

2月1日からはじまる「イラクと福島のバレンタインデー」の展示には、百姓のじいさんばあさんの写真も展示する。詳しくはHPで。JIM-NET 火鉢クラブ