ジャワ王家の世代交代 その後

冨岡三智

●マンクヌゴロ家

2021年9月号「ジャワ王家の世代交代」でも書いたように、2021年8月13日にマンクヌゴロIX世が亡くなった。IX世には現王妃との間の息子以外に離婚した妻との間にも息子がいて、一時不穏な動きも見せていた。結局、2022年3月12日に現王妃の息子が無事にマンクヌゴロX世として即位した。

X世は昨年中にお披露目記念として舞踊団をマレーシア、オーストラリア、タイに派遣、12月にはジョコ大統領の末の息子の結婚披露宴に王宮の使用を許可し、王宮の北西の元テニスコートの敷地にPracima Tuin庭園を整備(1月から正式公開)…と精力的に行動している。各方面と連携しなければこれだけのことは実現できないだろう。若いながら王家の責任を背負った立派な当主だなあと感じている。

●スラカルタ王家

一方、病気のスラカルタ王家の当主・パクブウォノXIII世(74歳)も、2022年2月27日の即位記念日の式典において、現王妃との間に生まれた息子プルボヨを正式に皇太子とした。21歳とまだ若いが、同世代のマンクヌゴロX世と競い合いつつ頑張ってほしいなあと願っている。

XIII世は3月のマンクヌゴロX世の即位式には出席していたが、現在、健康具合はかなり深刻な状態だという。XIII世は3度結婚しており、実は離婚した2番目の妻との間にもう1人息子:マンクブミがいて、皇太子より年上である。だが、2022年12月24日、王家の慣習評議会の長であるムルティア王女の意見により、彼はハンガベイと改名された。ムルティア王女はXIII世とは同母きょうだいだが、もう何年もXIII世に遠ざけられ、王宮内に入れない状態が続いている(た)。このハンガベイという名は庶子の中で最初の男子に付けられる名前である。父親のXIII世も即位前の名前はハンガベイだった(XII世は側室はいたが王妃を立てなかった)ように、王になれる可能性のある名前だ。というわけで、まだまだ内紛は終わりそうにない。