グロッソラリー ―ない ので ある―(10)

明智尚希

 1月1日:「おっと。すまん。ちょっと電話。あもしもし。うん。はいはい。大丈夫だよ。うん。うん。うん。そうなんだ。うん。うん。はい。へえー。うん。あもしもし。なんか聞こえづらいよ。声が遠い。うん。まあいいや。だからいいって。うん。うん。はいはい。了解。じゃあまた連絡ちょうだい。できればメールで。はいはーい――」。

^_^)ロ———ロ(^_^ ) ℡♪ モシモシ

 何の因果か、この世にまぎれこむことになった。幼少時から今の今まで戸惑いと不安の連続だった。知らない人間におびえ、初めての現象に震え、平穏である時ですら恐れた。勝手知ったる人、物、ことにも、時の移り変わりという媒介者が、心理を激しく動揺させた。こんな人物は、あの世でも地獄でも戸惑いと不安を覚えて自滅するのだろう。

ガ━━(´・д・`|||●)━━ン

脂ギッシュな頭でつんのめってからおはようじゃ。咳をしたら一億三千万人とわかってからの生からの全面撤退。示されうるものは語りえないから一応黙っておくが、ここだけの話、黒板の突貫小僧は第二次性質からうんともすんとも言わない。でっかいほくろから毛の生えたあんちくしょうは、食べたら食べっぱなしで三回転して行方不明。

(ー`´ー)うーん (ーΩー )ウゥーン (*’へ’*) ンー

 社会が世界が複雑化した中で、生きていかざるを得ない人間。学問が細分化し、細分化したものも枝葉状に分かれる。学問に限らず、日常生活に関するどの分野でも当てはまる。そうした世にあって、静物の忠実なデッサンにどれほどの意味があるのか。一筋縄ではいかない以上、森羅万象が抽象的になる傾向は抽象自然主義と呼んでもいい。

(○´∀`○)ノァィ

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(゜⊥゜)ナノダァ〜〜〜

 1月1日:「いや恥ずかしいとこ見られちゃったな。俺のケータイ。古いまま。いや買い換えようとは思ってるんだけど、俺はアプリとかたぶん使わないからさあ。通話とメールができればそれで十分。でもやっぱり人に見られるとなんか恥ずかしい。お父さんとお母さんはスマホに変えたの? ああそう。周りもみんなそうなんだよな――」。

モシモーシ♪ モシモーシ>(´ ▽`[]ゝ

 データによると、この国の年間総労働時間はかなり高い値を示している。サービス残業も含めると値は更に上がるだろう。仕事で忙しいというと多少なりとも上に見てしまいがちだが、生き方を決めるのは仕事と対蹠的な暇である。やっつけることで時間を費やす仕事、自由な思考空間の暇。仕事でも人でもなく、暇こそ我々の教師なのである。

(-_-)ノシ・・・ハァ・・・

 西洋人はどうやら勘違いをしておるな。何かにつけ禅だ涅槃だ仏教だと言いたがる。実際はそんなファッション的なものじゃないんじゃがのう。代表的なのがヘッセの『シッダールタ』。主人公を美しく苦しむ存在として描いとる。もっと地獄を近づけろっての。「悟りの境地」なるものがそんな極楽なら、わしなんざとっくに行っておるわい。

ンモォー!! o(*≧д≦)o″))

 国家の未来を担う政治家は、ステキなスマイルを待っており、発酵させるとズボンがぶかぶかでスゴい! 契約は申し込みと承諾で成立するが、業者の募集は申し込みの誘引であり、契約の申し込みではない。しかし、選んだのは笑顔でスタートができることであり、ロイヤルな味わいをそのままに、最高級のチーズケーキを作ったことである。

;:゙;`;・(゚ε゚ ) ブッ!!