障の神

璃葉

真昼の裏側を駆けまわる  鈍色の山奥から
静けさを受け止めている対岸まで

空は緑だった その下に樹々があった 樹々は緑ではなかった
土の上を転がるように 障の神は 一筋の風や葉に成り代わり、走り回る
音がしたと思えば音は消えている
我々が気づくのはいつも過ぎ去ったあと
振り返り、じっと考える  対岸に耳を澄ませながら

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