瓶詰め作業璃葉 過去の時間を手繰り寄せている、 過去を結晶にして瓶に詰めている。 土も葉も花の芽も、むかしは全て近い距離にあった。 物理的に近いのではなく、小さな身体(瞳・耳・骨)と共鳴し、 繋がっていた。 成長するにつれ、それらとの共鳴部分は薄れてゆき、 張り巡らされた天蚕糸のような無色透明な線はひとつひとつ切れ、 気づけば完全に分離していた。 あるときから、糸をもう一度紡ぎ直す作業をしている。 瓶に詰めた過去を さまよう星が照らす花の影に蒔くことも 作業のひとつ。