165仔鹿

藤井貞和

わかくさの 掛けぶとんに
すや すや あかちゃん

月の光も はつかねずみも眠る
なつくさの 跳ねぶとん

夜空のべっどのうえに
それでも眠る すや すや

かれくさの 敷きぶとん
野のかぎあなを あけて

生駒連山のあなたへ まだ
まだ足りない眠りです お寝み

(いつまでも寝ていたい君へ。起きて。旧作。)