161立詩(9)メール

藤井貞和

あなたはテレビを見ないひとだからねー
あまりに息も切らせない感じで、報告のために、
携帯取りにもいけなくてごめん。 昨夜の岩手大学の先生は、
殺傷処分拒否して飼われている牛を調査して、
夏は外の草を食べるから線量が高く冬に下がること。
名誉教授は仮設に住む鯉釣り趣味の人と山中へはいってゆくって、調査ね。
また鳥の研究者は木を登って、若い女子大学院生がマスクつけながら、
牛解体作業やっていたりするのを見ると、強烈なものがありました。
いまはあなたの詩の国で、書いても書いても許されるのだから、
きっと書いてね、殺傷処分拒否して牧場が仮置場にさせられたために、
安楽死させられた解体するわたしたちのことを、何ちゃって

(友人のメール。やや滅裂。)