昔話──翠の虱(37)

藤井貞和

(今回は「翠の沙漠37」と名を改めまして)

『竹取物語』研究者としましては、
かぐや姫(衛星探査船)をね。

あけがたの水星を追う天体望遠鏡で、
月までをも視野にいれようとするとき。

midu(水)、midori(水色)、
見えてきたのは水の地球で。

かぐや姫は地球のすみずみを、
見てるはずなのに、満ち欠けをさ。

何でも知りたいと思ったら、
その昔、地球にやってきて。

おうな、おきなのみどりめとなりまして、
あたいを育てておくれよ、しばらく。

みどりの沙漠が美しいね、
みどりさん

(「藤井さん、さいきんはどんなしごとをやってるんですか?」「11月に、戦争の本をだそうとしています」「わあ、いや。戦争はきらいです」と、拒絶反応が大きいです。「非戦、非武装を起源から探求する本ですから」「そうですか、じゃ買いましょう」と、しぶしぶ同意させても、分厚いかべです。)