蜜から灰へ――翠の羨道50

藤井貞和

コレージュ・ド・フランスでは、フランク先生が庭を指さしながら、
「30分も待っていれば、レヴィ=ストロースがここいらに出てくるんですがね。」

コレージュ・ド・フランスを出たところで、フランク先生が一角を指さして、
「ここでロラン・バルトがはねられたのですよ、くるまに。」


忘れてはならない、黒がA、Eが白、Iが赤、Uが翠、Oが青。
「赤のあとになぜ翠が来るかって?」「翠のあとに青!」 

100歳の赤い火、『みる きく よむ』にはそんな話題があったみたい。
「Uは「iu=y」(フランス語の音韻)だから? それともウ(母音字)?」

(ランボーは言う、「錬金術が碩学の秀でた額にきざむ、皺のやすらぎ」と。レヴィ=ストロース『みる きく よむ』〈1993、みすず書房 2005〉より。11月28日、100歳の日に。ちなみに推測するなら、「みる」が黒、「きく」が白、「よむ」が赤。)