面白い情報って

大野晋

新宿の奥地の勤め先から、埼玉の所沢に赴任しました。

首都圏をブーメラン型に突っ切る通勤は感慨深いものと非常な眠気に襲われるものがあるのですが、そういうことは置いといて、行って早々入居しているビルで大規模な古本市が開かれています。
最近はあまり古い書物探しもしなくなったとは言え、さすがに身近なところでイベントがあるときになるもので、昨日、帰りがけにのぞきに行ってみました。

結果として、およそ2時間ほどかけて会場の中を隅々まで見て回りました。ただ、残念ながらめぼしい本には出会えませんでした。会場は広く、集まっている本は多いのですが、集まっている本が私の欲しいジャンルや探している本や興味にかかる分野ではないのです。残念ながら、興味のない本は大量にあっても面白くない。

最近は古書を探すにしてもネットを使って検索することが多くなってきています。結局、大きな古本市に行って、その傾向を追認した感じでした。

かといって、本が集まった空間が絶対に面白くないわけではありません。ただ、編集されていない空間、編集されていない情報には面白味がないように感じました。たぶん、神保町の専門古書店が自己主張をするような空間なら面白かったのだろうとも思いました。

古書の山を見ながら、実は自分の蔵書を思い浮かべて、自分の蔵書は興味のある人にとって面白い情報となっているのだろうかなどと考えていたのでした。