オトメンと指を差されて(31)

大久保ゆう

新年あけましておめでとうございます。

今年も相変わらずな私でいようと思うのですが、その相変わらずなところをあえて合い言葉として申しますと「快眠・快浴・快甘」となります。

快眠はわかりやすく、心地よい睡眠に浸ることであります。くさくさした気持ちも現実のあれこれも、とりあえず眠ってしまえばいったんなかったことになったりもするわけで、時には夢の国の方が怖かったり気持ち悪かったりもありますが、おふとんのなかは温かく、頭のなかもぽわんぽわんなので、まあ何だっていい気分になります。生きていくにはどうしても睡眠が必要なのであって、八時間眠らなければ私はまったく成り立たなくなってしまいます。

快浴はつまり快い入浴、楽しくお風呂を満喫することであります。温かいお湯に触れているときの私は最強です。誰よりも強いという意味ではなくて、数ある私自身のなかでもいちばんすごい、ということでありまして、頭の回転の早さでは並み居る私自身たちもまったく敵わないわけなのです。訳語を思いつくときも、いい文を考えつくときも、あるいは何かを見極めるときだって、やはりお風呂のなか。私の能力の八割は浴室で発揮されていると言ってもそれは過言ですが、六割方はそうかもしれません。

快甘は聞き慣れない言葉というか、たった今作ったものなのですが、みなさまおおよその見当がつきます通り、甘いもの=スイーツ、めくるめくスイーツライフを謳歌することであります。糖分を摂取すると頭がすっきりすることもあるし、あるいはこれさえ終われば甘いものを食べていいとするならお菓子のために頑張ることもありましょうし、ただスイーツを食べたいがために食べることだってもちろんありうるわけで、とにかく甘いものは大事。

この快眠・快浴・快甘というみっつのリラックスでもって日々戦っているのですが、どれかひとつが欠けてもうまく行かず、どれかひとつがやりすぎでも成り立たず、放っておくとナンセンスなことばかりつぶやき始めたりするので、バランスよく快感を保つことが肝要であるわけです。しかしこの連載においてはぶっちぎりで快甘が多いので他のことも書きたいのですがあまりヴァリエーションがないのですよね。気が向いたら(何かに気づいたら)今後そんな話も出てくるかもしれません。

ともあれ、上記のような行動原理に基づきまして今年もそんなこんなやって参りますので、みなさまにおかれましては私がナンセンスがことを言い出したらああ疲れているんだなと、いつも通りであればああ忙しいんだなと、まともなことを言い出したらとうとう危ないんだなと、全体的になま暖かく見守るような形でどうぞよろしくお願い申し上げます。

(新年のご挨拶ということで短めに)

ちなみに新年と言えばお雑煮ですが、私は白みそでも赤みそでも合わせ味噌でもおすましでもなく断然お善哉派です。日々朝食にお汁粉を作る私ですが、そこはぬかりなく新年なので具が豪華になるのですよ! おもちだけじゃなくって!

しかも今年はついに鏡餅までチョコレートになりました。実はチロルチョコがチョコ鏡餅を販売しているからでして、需要のわかっている貴社におかれましては今後ともお世話になりたいと思う次第であります。