猛暑のさなか、8月16日に富田倫生さんが亡くなりました。追悼イベントを9月25日(水)におこないます。以下のサイトに詳細があります。どうか、ともに彼を送ってくださるようお願いいたします。
http://www.voyager.co.jp/aozora/
青空文庫をいっしょにはじめたとき、すでにC型肝炎を発症していた富田さんは、50歳を迎えられないかもしれないと言いました。青空文庫は富田さんの病気ともずっとつきあってきたと言ってもいいかもしれません。実際に何度か危機もありましたが、そのたびに元気になったので、私より長生きする可能性もあると思ったりしました。時間とのおいかけっこのように最新の治療に立ち向かうときにも冷静で、それは病気との付き合いが長いというだけでは説明のつかないことだったと思います。富田さんと最後に会ったのは8月12日の午後でした。別れるときにどうしても「さよなら」とは言えず、「また、いつか、どこかでね」と言うと、にっこり笑って「うん」と。
追悼イベントのパネルディスカッションや共催の名前を見ればわかるように、富田さんのやってきたことの意味については、いまもそしてこらからも、いろんな人によって解説などがなされるでしょう。まさにTPP交渉のときでもあります。
富田さんのいない青空文庫を、これまでどおり続けて、なんとか次の世代に引き継ぐことが、残されたメンバーの課題です。
「水牛のように」を2013年9月号に更新しました。
そんなわけで、大久保さんが自分のことを「青空文庫の、子ども」と書いているのを読んだときは「やった〜」と思いました。こどもはやがておとなになる。それに青空文庫は誰かが代表できるような組織でもありません。それぞれが、メンバーのひとりです。
渋谷の町からは生地屋の「マルナン」も消えていきます。東横線の駅が地下深くもぐっても、ヒカリエまでは行く気にもならず、こうして過去の人間になってゆくのだと妙に実感するこのごろ。。。
杉山洋一さんのコンサート情報です。ひとつめは明日です。
●サントリー芸術財団サマーフェスティバル2013
新企画 ザ・プロデューサー・シリーズ 池辺晋一郎がひらく
「ジャズ、エレキ、そして古稀」
2013年9月2日(月) 19:00開演 サントリーホール
ロルフ・リーバーマン:ジャズバンドと管弦楽のための協奏曲(1954)
野平一郎:エレクトリックギターと管弦楽のための協奏曲<<炎の弦>>(1990/2002)
池辺晋一郎・小出稚子・権代敦彦・猿谷紀郎・新実徳英・西村朗・野平一郎:新作管弦楽(題未定)(2013)<世界初演>
指揮 杉山洋一 エレキギター 鈴木大介 角田健一ビックバンド 東京都交響楽団
料金S4,000 A3,000 B2,000 学生1,000
問い合わせ 東京コンサーツ 03-3226-9755
●東京現音計画 #01 イタリア特集I:コンポーザーズセレクション1・杉山洋一
2012年9月13日(金)18:30開場、19:00開演 杉並公会堂小ホール
杉山洋一:《五重奏(アフリカからの最後のインタヴュー)》(2013)委嘱初演《ファンファーレ》チューバのための(2011)
ピエールルイージ・ビッローネ:《マニ・モノ》スプリングドラムのための(2007)
アルド・クレメンティ:《いと高きところに》(サクソフォン、ピアノ、チューバ,打楽器版)(1999)《Collage II》 (1960)(テープ上演)
ブルーノ・マデルナ:《ディアロディーア》(サクソフォンとチューバ版)(1971)
ジョルジョ・ネッティ:《最後に、かたわらで(翼の生えた)》 サクソフォンソロのための(2005)
ニコラ・サーニ:《空間概念 期待》ピアノとテープのための(1997)
フランコ・ドナトーニ《Quartetto III》(1961)(テープ上演)
有馬純寿(エレクトロニクス) 大石将紀(サクソフォン) 神田佳子(打楽器) 黒田亜樹(ピアノ) 橋本晋哉(チューバ)
前売:一般3000円、大学生2500円(税込)当日券は各500円増し。高校生以下無料(要予約。先着20名まで)
お問い合わせ:東京現音計画事務局(ナヤ・コレクティブ内)
チケットオンライン:http://www.purple.dti.ne.jp/naya/tickets/
それではまた!(八巻美恵)