朝から雨の降る九月の幕開け。夜の間に届いていた原稿を整理し、さて、水牛だよりを書かなければと思っているところに一度だけ轟音が聞えてきました。近所で建築中のマンションが倒壊したかのような長く轟く音だったので、窓から覗いてみると、そのマンションは倒れた気配もありません。どうやら雷だったようです。これからもっと激しくなるのかもしれません。
「水牛のように」を2015年9月号に更新しました。
杉山さんの息子くんがそういうお年ごろであるとしても、大人になったら日本国籍を捨てる、と言う実感があるのはこの国が長いことかかえている問題だと思います。また8月30日のデモにあんなにたくさんの人が集まったというのも、それほどにいまの日本が暗い時代だからでしょう。その一方で、ルーマニア人のイリナさんと久しぶりに会ったら、彼女はこう言うのでした。わたしは東京がものすごく好き、というわけじゃない、でもここが自分のいるべき場所だと感じる、と。
一度大きく咆哮した雷はあれで放電できてしまったのか、空は晴れてきました。きょうのこのお天気のように九月はめまぐるしくなる予感。
それではまた!(八巻美恵)