2016年1月1日(金)

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明けましておめでとうございます。
きのうと変わらないきょうなのに、この一言を書くときは、無心に帰って世界の平和を願っています。

「水牛のように」を2016年1月号に更新しました。
ひさしぶりにくぼたのぞみさんの詩をお届けします。夢のような雪を、わたしもまた東京の暖かな冬にいて待っている。
「交互にやってくる暑さと寒さのせいで」沖縄は暖冬ではなく、暑冬だと知り、にわかに郷愁を覚えてしまいます。沖縄本島の南の先の海に、あるいは鹿児島との間に横たわるどこかの島へ、行きたい気持ちがふつふつと。。。
「抽斗を開けると」黄色いボタンの詩を読んで、先日見た映画「真珠のボタン」を思い出しました。ボタンは記憶をとどめ、だから捨てられないのだと思います。
「雑煮のしたく」父が仙台の人だったので、家では大晦日の夜におせちまでだし並べて、食べていました。この話をすると、大晦日には年越しそばを食べるくらいで、いくらなんでもおせちは元旦でしょう、あなたの家だけ勘違いしているのではないか、といろんな人に言われ続けてきましたが、「年取りの膳」という伝統(?)はちゃんとあるのでした。
「長明さん、啄木さん」「方丈記と「食うべき詩」とを一つにしちゃいました。ごめん。」ということですが、こうした試みはおもしろいし、もっとあってもいいと思います。安西冬衛、梅崎春生、江戸川乱歩、大坪砂男、河井酔茗、蔵原伸二郎、式場隆三郎、高見順、谷崎潤一郎、中勘助、森下雨村、山川方夫、米川正夫という作家たちが今日からパブリック・ドメインとなり、青空文庫で作品が公開されていきます。作品は読まれ使われることで生き延びていくことを忘れないようにしましょう。方丈記も「食べる詩」も青空文庫で公開されていますから、ぜひ読みにいってください。

12月31日が出産予定日だった若い友人のところに、30日に無事に女の子がやってきました。ことし最初に受けとったうれしい知らせです。写真ではじめて見る、まあるい顔したちいさな人は、この世界のことはすべてわかってるという顔をして眠っています。ほんとに人生の先輩みたいだな。

それでは、今年も水牛をどうぞよろしくお願いいたします。(八巻美恵)