刺繍による、布地のうえの曼珠沙華、ヒナゲシ。
縫いとる絨毯を引き辟(さ)くこと。 ぼくのシーツ。
あめ牛、馬が糞をする、そのうえに小便をするぼくの、
美しい絨毯。 現実の像だ、図形によって色相を奏でる、
浮紋だけが真偽を超えるから。 菅(すげ)よ、
ここにあなたを引き辟(さ)くための八本の針がある。
......一本は龍樹の鉢のなかに落とされた針である。
童話のなかにあった、寝転がって見ていたら。
「ぽとりと落とされた針の極微(ごくみ)を」と、そこにはあった。
中間子の白雪姫がひろった。 湯川(=秀樹)が
宇宙の箱を差し出して、輪に描く。 切り辟(さ)き魔よ、
天の運針によって、大きな大きな輪をえがいて!
「えがく」という語をどうか、文字通りに受け取ってほしい。
これにかぎらず、どうか。(4月1日)
(「電話口で、詩を読むように話してくれた。/神様、神様、/誰が、私たちの望みをかなえてくれるの?/たくさんの贈り物で、この日を幸せにして。/私が、学級で勉強するのを助けてくれるとうれしいなあ。/科学の力で私の頭を賢くして、心をきれいにして。/私とこの国をすべての悪いことから救ってください。」〈[水牛のように]5月1日「太陽の布団」佐藤真紀〉より。私こと、〈戦争のない国〉研究に今月から取り組んでいる近況です。)