夜明けがやさしいなら、
きっと きょう一日を耐えられると思う。
ここは夜明けの準備室、
まだ暗い牢獄、ぼくは精神を出られない。
置き去りのプラットホーム、
駅長室で、始発のベルが鳴りっぱなし。
十字架に押しつぶされ、
自律神経はこなごな、よわいんだからお前。
けさのくるのが怖いひと、
夢のあとさきで希望がつながるならよいのに。
夢のなかでおれは、
穂明かりして、一本の稲でした。
(学生が読みまちがえて、「もろ刃のやばい」。ああ、ほとんど感動的な一瞬だ、われわれはもろ刃のやばい。あちらもやばい、こちらもやばい。エッセイ集の題に『もろ刃のヤバイ』なんて、どうですか? また学生が読みまちがえて、「もろ刃のヤイバ」。)