昨年、12月27日、イスラエルがガザを空爆した。3週間の攻撃で、1300人のパレスチナ人が死んでしまった。私がパレスチナに住んでいたとき、3年間の死者が3000人弱だったことを考えると、いかに今回のイスラエルの攻撃が激しいのかが想像できる。JVCのスタッフがガザ入りして写真をHPに掲載している。
http://www.ngo-jvc.net/
もやもやしながら年が明けてしまった。
1月10日、ガザ攻撃に反対する集会があるというので、出かけていった。東京タワーの近くの教会は人であふれているのに驚いた。多くの日本人も、こういった虐殺にはもう我慢できないと言った様子。直前に行われたピースウォークには1500人が参加したと言うからすごい。
ちょうど、前の日に長崎でラジオ番組の収録があって、塚田恵子の「この人、この歌、ああ人生」という番組。いきなり、一曲選んでくれといわれた。なんとなく演歌っぽい。僕は、せっかくなので、アラブの音楽を紹介したいと思ったのだが、プロデューサーが、「局にCDがない」という。最初から出演がわかっていたら用意してきたのだが。とくにお勧めは、RimaKhcheich(リーマ・カチェイチ)。ちょうど、バレンタインのチョコレートの話もすることになっていたので、マイ・ファニーバレンタインのアラビア語バージョンを紹介したかったのだ。リーマはレバノン人。HPで視聴が出来る。
http://www.rimakhcheich.com/
しばらく、時間をもらって、考えていたのだが、これと言う曲が出てこず、
「やっぱり、月並みだけど、ジョンレノンのイマジンですかね」
ガザの騒動があって、今まで封印していた私の中の「パレスチナ」がよみがえってきた。というのも、2002年に僕は、イスラエルから入国拒否をされてからというもの、パレスチナのことを思うのはやめていたのだ。「パレスチナ人の人道支援を行う」=「テロリストを助けようとするあなたはつまりテロリストです」というわけだ。
想像してみよう、国なんてないと
そんな難しいことじゃない
殺すことも誰かに殺されることもない
宗教もない世界のことを
想像してみよう、僕らみんなが
平和な人生を送っている姿を
イスラエルとパレスチナは国を巡り、殺し合い、大義のために死んでいく。当時、僕はパレスチナの子どもたちと一緒に、皮肉に満ちてこの歌を歌った。大人たちは、「ハマスにしれたら」と心配していたが、曲を聴かせると、パレスチナの大人たちもコンサートをやろうと盛り上がった。まだ、紛争が激しくなる前の2000年の夏のことだった。その後は、子どもたちが描いていた理想の平和は、むなしくも爆弾で壊されて言った。
子どもたちもそうなのだが、私自身が、どこかで夢や希望に蓋をしてしまっていた。ラジオのインタビューを受けながら、この歌を聞いて、希望の光が見えてくる。夢を失ったら、もっとひどいことが起こる。そう思うと、なんだか、元気になってきた。
さて、毎年、好評の限りなき義理の愛大作戦のほうはと言うと、募金してくださった方に差し上げるために作った70000個のチョコレートがほぼ品切れになりそうな勢い。こんな不景気にも、イラクの子どものために募金してくだる方がたくさんいる。オバマじゃないけど、YesWecan!
東京の日比谷で、2月13日から18日まで、イラクの子どもたちの絵画展を行います。会場にはチョコレートを500個用意しました。ぜひ、絵を見に来てください。
詳細はこちら http://kuroyon.exblog.jp/