最近はメディアで触れられることも多くなった我らがオトメン。しかしまだまだ出たてなのでその呼び方も様々です。草食系男子だとか、お嬢マンだとか。......特に後者のネーミングはどうにかならないでしょうか。いささかセンスに欠けるんじゃないかと......。
草食と呼ばれてもピンと来ないし(表面的なところだけじゃない?)、お嬢マンって特撮モノの雑魚怪人みたいで変だし(てゆうかお嬢様の何たるかを何にもわかってない! 乙女とお嬢様は別の生き物なのです!)、やっぱりオトメンがいちばんしっくると思うんですけどね、当事者としましては。こうしてメディアに書かれ始めると、何だか違うなと思うのが中にいる人間の常ですよね。「この人は(若者のことを)わかってない」みたいな感覚が出てくるもので。
先日新聞に載った草食系男子の記事では、「女の子と飲んで終電がなくなると、ラブホテルに行って寝るけど、別にセックスはしない」みたいなことが書かれていたわけですが、当事者から見ると「この記事10歳か20歳くらい上の人がテキトーに書いたんじゃない?」という疑問が湧いてきます。
まず「終電なくなる→泊まるとこない→安いからラブホテルで代用」という思考自体が古いんですよね。今の若者だったら、友だちとオール(一晩越えること)するならカラオケかマンガ喫茶だと思います。わざわざ妙な空気になる場所へふたりで行くくらいならね。ちなみに今のマンガ喫茶にはちゃんと個室があって、仮眠もできるようになってるので。シャワーもあったりしますよね。仮眠だけならこっちでじゅうぶん。
もちろん女の子の友だちとふたりでオールしても何もしませんよ(襲うとかおかしいでしょ)。それは外でも自宅でも同じで。そこは当たってます。そもそも恋人以外の人に欲情するってことがよくわかりません。獣じゃないんだから、ちゃんと恋愛しましょうよ。
あと草食系男子で首をひねるのは、ラクダとかヤギみたいな、その「おとなしい」「ひ弱」っていうイメージ。まだそういう旧態依然なステロタイプのままなの?とか思います。もしかするとそういう人も本当にいて、私が草食系男子じゃなくてオトメンなだけ、という線引きもできるのでしょうが、とりあえず個人的なオトメンの定義からは外れます。
だって、オトメンはいつも心のなかで「燃えている」のですから!
というのは初回にも少し触れましたが、オトメンはオンオフのスイッチが極端というか、ものすごくメリハリがあります。仕事やスポーツではバリバリ、趣味ではゆるゆる。パブリックなところでは熱血で、プライヴェートなところではまったり。そこはもうぴっしりと分けます。
オトメンが女性陣に頼りにされるのは、その「実は熱血」「実はハードボイルド」みたいなところもあると思います。普段は女友だちと同じような感覚でつきあえるんだけど、いざというときにはちゃんと男の子的な役割で頼ることもできる、みたいな。草食系男子だとそういうところがなさそうです。
仕事なり会議なり学級会なり何なりで、誰も動かずしんとしてるときに、だんっと机を叩いて「何やってんだお前ら」みたいな感じで動き出すのは、実はオトメンですよね。あるいは円滑に動いているように見えるプロジェクトの裏でめちゃくちゃ暗躍(?)というか目立たずに支えているのはオトメンだったり。意外と「オレがやる!」というタイプが多いような。
大事なところで怒ったり泣いたり熱くなったり。それを実際に表に出すこともあれば、心のなかだけでやってることもあります。
基本的に、私と同年代の人のキーワードというか行動原理というか、常に「やりたいことをやる」「自分は自分、他人は他人」みたいなところがあるように思います。そういうことが強く意識されていて、それだけに色んなひずみができたり、問題が起こったり。
もちろん誰が考えてもわかることですが、世の中には「やらなくちゃならないこと」があって、「自分」と「他人」が完全に孤立した状態で社会が成り立つわけなくて。(当たり前じゃないですか! でもその当たり前のことをわかってない人が多すぎるんですよ!)
私の出会ってきたオトメン仲間っていうのは、そういう「誰もやらないけど、やらなくちゃいけないこと」をあえてやってる人っていうのが多かった気がします。それこそ怒ったり泣いたり熱くなったりしながら。ものすごく大変であるわけですが。
プライヴェートがゆるかったり自己愛的だったりするっていうのは、もしかするとその反動かもしれないし、そっち側が結果として草食系男子に似ているっていうことならあるのかもしれません。
というわけで!
ここでオトメンと草食系男子のあいだに大きな線を引きます。
・草食系男子【そうしょく・けい・だんし】
表裏がなく、内省的で繊細。争いや活動に消極的で、和を尊び、自分の趣味や世界を大事にする。
・オトメン【おとめん】
裏表があり、対外的には活動的で積極的で社交的で時に破壊的。ただし自分の領域に入ると極端に自己愛的でまめまめしい。
......あれ? こんなのでいいのかな? でもどっちも「男らしさ」なんていうものに疲れているのは一緒のような気もします。そういえば、草食の反対は肉食ですが、それ以外にも「昆虫系男子」なるものが生息しているようですよ。色々あるんですね。
ああ、そう考えると男友だちにそれぞれ当てはまる人がいるなあ......ということで、オトメンの男付き合いに関してはまた次回にでも。