少女の死・2

僕は、オーストリア経由で、イラクに入った。今回札幌の団体から、ダンボール1箱分の薬を託された。たったの1箱なんだけど、抗がん剤がほとんどなのでお金になおすと300万円分だ。重量が18kgも超過してしまい、なんと、チェックインカウンターで10万円払えといわれた。普通は、10万円といっても5万円くらいに負けてくれる。ああだのこうだの説明するけど、まけてくれない。日本は厳しい。

薬の一部はウィーンでオーストリアのNGOに手渡して、イラクに送ってもらう手はずになっており、随分と軽くはなったが、それでも、まだ、僕のスーツケースは2kgオーバーしていたが、ウィーンからアルビル(北イラク)に向かう飛行機では、追加料金をとられることはなかった。そのあと、北イラクの病院にのこりの薬を届け、肩の荷が降りた。

その後、僕はヨルダンに飛んで、サブリーンの描いた絵をポスターにして印刷屋で印刷してもらった。この印刷屋が結構、いけてて、いい感じで作ってくれる。値段も安いのだ。40種類のポスターを印刷した。出来上がったのを眺めていると、なんとも、うれしくなってくるし、そして悲しくもなってくる。しかし、この印刷屋、あせらすと全くダメで、裁断が、少しづつゆがんでいたりするのだ。

スーツケースはすっかりと軽くなったが、そこに、サブリーンのポスター40枚を詰め込み、イブラヒムからもらったサブリーンが生前に着ていた衣服などの遺品を詰め込むとまた重くなってしまった。実際は、行きより軽くなっているはずなのに、なんだか、とっても肩の荷が重い。

イスラームでは、死後40日間は、喪に服すそうだ。日本でも49日というように、それくらいの日が経てば、悲しい気持ちも癒されることになっている。でも、なんだか釈然としないものがある。イラク戦争って一体なんだったんだろう。子ども達に降りかかった爪あとは、しっかりと検証してほしい。

12月2日(水曜日)、新宿カタログハウス 地下2階で、サブリーンのお別れ会をします。会場には、B2サイズの40枚のポスターを展示します。18:30〜21:00 お問い合わせ:JIM-NET(03-6228-0746)