梅雨にはいると

五月の連休最後の日、法事で実家に帰っていた奥さんと娘を空港へ迎えに行く。
ふたりを迎え、空港から家にむかう。

空港からの道は58号線に合流する。左側に那覇軍港が見える。返還が決まった軍港のゲートはいつも開いている。ここはどのように変わるのだろう。十年くらいたったらなにかできているかもしれないしそのままかもしれない。

58号線、那覇を過ぎて浦添。左側のフェンスはキャンプ・キンザー。
ここも返還が決まっている。返還後は開発されるらしい。基地があるために残されていた海岸線は開発によってくずされる。

さらに進むと、宜野湾の伊佐交差点を右折する。
坂をあがると右側には北谷の海が見える。海はやがてキャンプ瑞慶覧のハウジングに視界を遮られ、今は誰も住んでいないフェンスの中の家々。少し奥のほうでは高いクレーンがいくつもたっていて何か新しい建物をつくっている。

普天間神宮を過ぎ、キャンプ瑞慶覧のPXも過ぎて、屋宜原のA&Wも過ぎる。
ライカムの交差点。右側は泡瀬ゴルフ場。返還が決まっているがなんだかんだで少し遅れるらしい。このゴルフ場のクラブ・ハウスはIDカードを持たない地元の人でも入ることができた。ドル紙幣さえあればアメリカン・サイズのチーズ・バーガーを食べられた。もう使われていないゴルフ場は草がかなり伸びている。
この交差点、過ぎるとすぐ沖縄市に入る。
プラザハウス、山里三叉路過ぎそのまま進むとゴヤ十字路。
左に行くと嘉手納飛行場の第二ゲート。ここからはもう家までは歩きの圏内。

連休明けて、六日に梅雨入り。雨が続いたあとの少し晴れた日、入道雲が出た。長い夏が始まる。だんだんと夏の暑さがこたえるようになったけど、まだクーラーのお世話にはなっていない。

テレビでは「抑止力」ということばが毎日のように、いろんなひとがいろんな立ち位置でいっているがぼんくらの頭では理解できない。理解しようとも思わない。

騒音対策。普通に建てた家の窓をアルミサッシにしたくらいで音が軽減できるわけじゃない。音は屋根を、壁を振動して入ってくる。戦闘機、ヘリコプター、輸送機。出す音は全部違う周波数。

ここではないほかのところの事に思える。錯覚、結局は他人事。