オトメンと指を差されて(27)

オトメンと夏はきっと相性が悪いのです。そりゃあ個人的に苦手だというのもあるのかもしれませんが、それにしたってできることが少なすぎやしませんか。ねえ、ねえ、ねえ!

女の子なら浴衣だ水着だときゃっきゃできることはあるのでしょうが、正直のところ男の水着なんてどうしようもないものでしかないし(短パンかブリーフかサーフパンツ云々)、男+浴衣のイメージなんていまだに温泉から上がってきたばかりのおっさんから離れられず、じゃあ甚平を見てみるとオトメンというよりはどっちというとヤンキー方面へとデザインがシフトしていくという次第で。

夏にできること? 夏にできること? 夏にできることといったらいったいなんだー! サーフィンもキャンプもオトメンじゃないよなあ......凝った料理を作るにしても夏のキッチンは灼熱地獄、ファッションにしても服が重ねられたり組み合わせたりできるからこそ元々少ないというか乏しいというかそういう男物の側面を補えるというのに、薄着って遊ぶの難しいんだよお......

とまあ、夏のオトメンがいったい何たるものなのかいまだ見つけられずにいた私なのですが、先日(いやひょっとすると数年前から)、もしかすると盆踊ることなのかもしれないという訳のわからない糸口をとうとうつかむに至ったのです!

何時間も同じ仕草でエンドレスに踊り続ける! そしてトランス状態つまりボンダンサーズ・ハイ、これこそオトm......ごめんなさいやっぱり無理でした。

昆虫採集・潮干狩り・花火大会、いろんなイベントを思い出して結びつけようとしてみるものの、どうもしっくりこなくて。どうやってもオトメンがメイン張るようなものでもありません。私自身もイベントやお出かけは嫌いでないのでよく参加するんですが、つながらないというのはいったいどういうことなのかと。そんなとき、ある人がこんなことを私に言いました。

「毎度、保護者お疲れ様」

――はっ! そうだったのか! オトメンは同年代や年下の人間と一緒にいると、なぜか母性を発揮してグループをゆるやかにまとめたり遠くから見守ったりしがち。だだをこねる友人たちをなだめたり迷わないよう引率したりそれだけで疲れてしまって自分の楽しむ余裕がなくなったり。

夏がバケーションの季節である以上、夏のオトメンが常に保護者であり続けるのは避けられないことだったのです!! やむなし! 夏休みなんて休みじゃなかったんだ! そうなんだ! わあい!

で、私はもうバテバテ。へろへろりん。秋が来るのはまだなのかな。まさしくオトメンの季節なのに。小さい秋はどこなのでしょうか。