暗澹たる地

世界と一つの川
唄い続ける独りの婆さま
山々は婆さまの鏡となって
悲しみを地表に映す

世界と小庭
唸り続ける小さな箱
婆さまの土色に染まる小さな指が
何かを伝えるように震えた
婆さまは真っ赤な花に姿を変えてしまった

悲しみから生まれたひとつの花
糸のように細く黒い花の影から這い出る甘い光は
山麓をも 太陽をも 悪魔をも魅了した

世界への錠がかかった扉
道化師も祈祷師も
扉の向こうの密談に入れない

赤い花の祈りは空高くに飾られた
大地の終焉を見渡すために

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