同姓同名

新年おめでとうございます。

世の中には同姓同名の人間が何人もいる。自分の同姓同名の人間は有名な日本語学者のほかにも何人かいるのを知っている。そのうち、何人かは私と似たような分野にいるので間違えられることはないか、と思っているが、今のところ、情報学研究所の文献データベースにはきちんと分かれて収録されている。その辺はどこかの著作権データベースよりもしっかりとしている。

外国人でも同姓同名の人物は存在するが、これが結構ややこしい。実は、私はマイケル・ジャクソンという人物を三人知っている。ひとりはご存じキング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソン。もうひとりは、コンピュータ業界ではジャクソン法というシステム開発技法で有名なマイケル・ジャクソン。そして、最後のマイケル・ジャクソンはビールやウイスキーの著作を残したマイケル・ジャクソン。全員がマイケル・ジャクソンなのでややこしいが、幸いにして分野が異なっているためなんとなく煩わしいことはない。

これが、ジョン・ウィリアムズになるともっとややこしい。ギターの巨匠なのか、作曲家兼指揮者の方なのかは文脈によってくる。では、ジョン・ウィリアムズ作曲のギター協奏曲があったら? 困るでしょうね。

実はこの問題は常にあって、社会保険庁の年金履歴の問題もこの同姓同名問題に他ならない。終身雇用を前提に名簿管理を考えていたので、転職や転住などで名簿が不連続になるとそれが反映できなかったという話だ。最近は三鷹あたりにあるセンターで全員に統一番号を振って、これをもとに一元管理しているので特に新しい問題は発生しないようになっている。ただし、年金を含めた社会保険の統一番号管理はすでに始まっているわけなんですが。

ところで、コンピュータの世界には面白い人もいて、モジュールに即した名前をつければ問題はないという話をつい最近聞いた。しかし、人間の使う単語が有限であり、その組み合わせもまた有限なら、似たような機能やモノにつける名前もどうしても同じようになる。実は同姓同名というのは必然の結果なのではないかと思っている。この辺の話はなんでも仮説上の話で考える方にはわからないのかもしれない。名前というものはめちゃくちゃな文字列の組み合わせではないのだから。

昔、長野県の女性に「みゆき」という名前が多いことに気づいたことがあった。あだち充の「みゆき」がヒットするよりも昔だから純粋に「美しい雪」という存在にちなんで付けられたのだろう。とはいえ、寒い地方の雪は美しくもあり、怖くもある存在である。それが女性の名前になることにいまも不思議さを感じている。この傾向、長野県だけの傾向なのか、はたまた、他の北国でもいっしょなのかは実はリサーチしたことがない。ぜひ、どなたか調べてみてはいただけないだろうか?