さてさて、チョコがもらえる募金、「あしたのチョコレート」もいよいよ佳境にはいった。シリア難民も70万人をこえ、死者は6万人という異常事態だ。何とかチョコ募金の一部をシリアにもまわそうと、年末年始、僕はヨルダンとイラクのシリア難民を訪問してきたのだ。
今年張り切っているのが、斉藤爺さん。63歳でJIM-NETのスタッフに応募してきたのが一年前のこと。ちょっと僕も疲れてきたから若くてバリバリ営業のできる人に任せたい。若者を育てたい。求人に応募してきたのは、男性よりも女性が元気。営業には自信があるという30代の女性が数名だったが、中に紛れて、爺さんが一人いてびっくりした。
一時面接の結果、採点すると、爺さんが最高得点を取ってしまった。しかし、イメージでは、バリバリ、てきぱき働く若者のはず。でも採点結果は斉藤爺さん。何回計算しなおしても、斉藤さんの得点が高かったのだ。斉藤さんは見かけよりも老けて見えるし、息がかすれて、苦しそうにしゃべる。大丈夫だろうか? 過酷な仕事をこなせるのだろうか。僕が出張でイラクに行っている間に、最終面接を理事にお願いしたら、斉藤さんが選ばれていた。
この斉藤さん、働き始めると、なれない仕事で、てこずっているが、やる気満々だ。
「ハー、病院に行ったんです。ハー、先生にMRIの結果が良くなってますよって言われましたハー」
「ハー、妻にも、ハー、以前の会社で働いているときよりもハー、生き生きしているよといわれてるんです」と嬉しそうだ。そして、なんだか、すっかりと、皆の人気者になり、チョコ募金のリーダーをすることになった。
しかし、人生そうは甘くない。チョコ募金の個数が伸び悩んでいる。僕もだんだん心配になって、「斉藤さん、今日はどうでした?」毎日聞く。鎌田實代表も、心配して斉藤さんに毎日聞いてくる。
斉藤さんは、「ハー、みなさんから、ハー、毎日今日の売上個数を聞かれるんです。そして妻からも」
斉藤さんは、今日も、愛妻弁当を食べて、頑張ってチョコの在庫を計算して営業をかけている。チョコが売れ残ると大変なことになるのだが、斉藤さんを見ていると、なんともホンワカしてくる。
「まあ、いいか、きっとうまくいくし、うまくいくしかないでしょう(うまくいかなくてもしゃあないなあ)」
JIM-NETのチョコ募金、手作りの味わいが、あふれ出ている。
チョコ募金の申し込みはこちら
http://www.jim-net.net/choco/